キヤノンは12月2日、11月23日に国際宇宙ステーション(ISS)からアイソン彗星の4K動画撮影に成功した際、同社の映像制作機器「CINEMA EOS SYSTEM」ブランドのデジタルシネマカメラが使われたと発表した。ハリウッドなどプロの映像制作現場から高い評価を得ている同ブランドの機器が、活躍の場を宇宙にまで広げたとしている。
撮影に採用されたキヤノンの機材は、デジタルシネマカメラ「EOS C500 PL」(2012年10月発売)と、EFシネマレンズ「CN-E15.5-47mm T2.8 L SP」(2012年12月発売)、「CN-E30-105mm T2.8 L SP」(2012年10月発売)。EOS C500 PLは、超高感度化や宇宙での過酷な使用条件に耐えるために特別な改造を加えたという。
これらの機材を使って11月23日、ISS滞在中の若田光一飛行士が、カナダ・オンタリオ州の上空420キロでアイソン彗星を撮影。大気の揺らぎのない“彗星観測の特等席”から、アイソン彗星が尾から上がってくる様子を4Kの動画に収めた。
米航空宇宙局(NASA)は11月29日、アイソン彗星の大部分が崩壊・蒸発した可能性があると発表しており、期待されていた地球からの観測は困難になったもようだ。ISSからとらえた4K映像は貴重な資料になりそうだ。映像は12月4日夜のNHKスペシャルで公開される。
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