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入手困難資料のデジタル版、全国の図書館で閲覧可能に 国会図書館が配信 著作権法改正で
国立国会図書館は、絶版などで入手困難な資料のデジタル版について、21日から公共図書館への配信スタートする。2012年の著作権法改正で可能になった。
国立国会図書館は1月10日、絶版などで入手困難な資料のデジタル版について、21日から公共図書館への配信をスタートすると発表した。国会図書館が承認した公共図書館(10日時点で17館)館内のPCで、デジタル化された資料を画像で閲覧できる。
国会図書館がデジタル化した資料のうち、絶版などの理由で入手困難な資料が対象。2012年の著作権法改正で、従来は国会図書館の施設(東京本館、関西館、国際子ども図書館)での閲覧に限られていた資料を、全国の図書館に配信できるようになった。
サービス開始時点で約131万点の資料が対象。1月10日現在、93館から利用申請があり、札幌市立中央図書館や高知県立図書館など17館が承認されている。残りの図書館でも順次利用できるようになるほか、図書館からの利用申請を引き続き受け付けている。
資料を閲覧したい人は、対象の図書館を訪れて利用申請し、館内のPCでWebサイト「国立国会図書館デジタルコレクション」(国立国会図書館デジタル化資料から21日に名称変更)にアクセスして資料を検索すると、本文を画像で見られる。検索は、事前に自宅のPCで行うことも可能。図書館からのみ閲覧できる資料は、サイト内で「国立国会図書館/図書館送信限定」と表示される。
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