輪を持つ小惑星が初めて見つかり、ブラジル国立天文台やヨーロッパ南天天文台(ESO)などが英科学誌「Nature」に発表した。輪を持つ天体としては最も小さく、ESOは「驚くべき発見」としている。
小惑星は土星と天王星の間にある「センタウルス天体」の1つ「カリクロ」(Chariklo、ギリシア神話に登場するケンタウルス・ケイローンの妻の名前)。直径約250キロの小惑星の周囲に、幅7キロと3キロの二重の輪があるという。
カリクロによる星食を昨年6月に南米の7カ所の天文台で観測したところ、星食の直前と直後にもわずかな時間ながら食が起こっていることが分かった。観測結果から、カリクロから9キロ離れたところに輪があるという結論に至ったという。
太陽系の天体で輪が見つかっているのは木星、土星、天王星、海王星で、カリクロは5番目の天体となる。惑星と比べるとカリクロはとても小さく、何らかの衝突で生じた破片が輪になった可能性があるという。またカリクロには未発見の小さな衛星が見つかる可能性もあるという。
関連記事
- 土星に表れた“印象派のような雲” カッシーニが撮影
土星の表面に雲の模様が表れた様子を探査機「カッシーニ」が撮影。NASAは「印象派のよう」と例えている。 - 土星から見ても地球は青かった NASA、探査機カッシーニからの写真公開
探査機カッシーニが撮影した、土星軌道から見た地球の写真が公開された。 - 「ダイヤモンドでできた星」が見つかる 地球から近い
ダイヤモンドでできているとみられる星が太陽系から比較的近くに見つかった。地球3つ分の重さのダイヤが詰まっているという。 - 最も遠い宇宙の鮮明な写真、NASAが公開
遠い宇宙をハッブル宇宙望遠鏡を使って鮮明にとらえた「eXtreme Deep Field」をNASAが公開した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.