スマホ利用のカード決済「Coiney」1周年 国産の強みは「ローカルな慣習の理解」
スマホ/タブレットのアプリを介したクレジットカード決済サービス「Coiney」の今年度の目標は「専用リーダー10万台の配布」という。
コイニーは4月10日、スマートフォン/タブレットを使ったクレジットカード決済サービス「Coiney」の事業開始から1年が経ち、ここまでの歩みと今後の展望を説明した。Squareなど外資系サービスが進出する中、国産サービスの強みを訴求し、今年度末までに専用リーダー10万台の配布を目指す。
スマートデバイスのイヤフォンジャックに専用のカードリーダーを挿入し、アプリ上で金額を入力してスワイプすればクレジットカード決済ができる仕組み。初期費用や月額利用料は無料で、決済額の3.24%が手数料として徴収される。設備費をかけにくい小規模店舗、個人経営の飲食店や医療施設、スピードや手軽さが求められる屋外イベントなどで利用されている。
佐俣奈緒子社長は、外資系サービスと比較した際の国産企業の強みとして(1)NTT東日本のクラウドレジシステム「ラクレジ」など既存サービスとの連携やAPI/SDKの提供による外部パートナーの関係強化、(2)日本独特の慣習やシステムのケア――の2点をあげる。
1万円以下の決済であればサインレスに決済が完了する機能を追加したのも、日本では少額決済時のカード利用率が低い現状があったため。煩わしさの大きな要因となるサインのプロセスを減らしたことで利用率が上がったという。ボーナスを利用した分割払いや、レシートと手書き領収証の異なるニーズなど、日本だからこそ求められる局面に対応できるようきめ細かく機能追加・刷新をしていきたいという。
専用リーダーはこれまで、利用審査を通過した企業に1つ無料で送られていたが「店舗ごとに使いたい」「営業マンそれぞれに持たせたい」という要望を受け、購入チャネルを拡大。Amazon.co.jpで2580円(税込)で販売を始めた。
現在の導入企業数などは非公開だが、今年度の目標は「専用リーダーの10万台配布」。佐俣社長は「今はまだこの丸い端末を街中で見たことがない人の方が多いと思うが、年度末には『たまに見る』存在になれば。ユーザーの平均年齢は45歳と、普段からWebに親しんでいる人ばかりではなく、タブレットやスマートフォン自体に始めて触るという人も多い。サービスやガジェットのクオリティを追求しつつ、FAXや電話を使ったアナログなユーザーサポートにも対応していきたい」と話している。
関連記事
- カード決済も売り上げ管理もタブレットでOK リクルート「Airレジ」とモバイル決済「Square」が連携
リクルートライフスタイルのPOSレジアプリ「Airレジ」と、モバイル決済「Square」が連携し、タブレット1つでカード決済から売り上げ管理まで完結する店舗向けレジサービスを始めた。 - クラウド会計ソフト「freee」がリクルート「Airレジ」と連携 売り上げデータを自動で帳簿に
クラウド会計ソフト「freee」とリクルートライフスタイルの無料POSレジアプリ「Airレジ」の連携がスタートした。日々の売り上げデータを自動で帳簿に記録できる。 - 数行のコードで決済機能を導入できる「Yahoo!ウォレットFastPay」開始 決済手数料3.25%
サイト内に数行のコードを埋め込むだけでカード決済機能を導入できる決済API「Yahoo!ウォレットFastPay」が公開。 - “顔パス”支払い、ヤマダ電機に 「PayPalチェックイン支払い」試験導入
「ヤマダ電機LABI 渋谷」で、“顔パス”感覚で店舗でPayPal決済できる「PayPalチェックイン支払い」のテストマーケティングが始まる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.