Amazon、米プライム会員向けに音楽ストリーミングサービスの提供を開始
AppleによるBeats Musicの買収などで競争が激化する米国の音楽ストリーミング市場に、Amazonがプライム会員向け無料サービス「Prime Music」で参入した。
米Amazon.comは6月12日(現地時間)、有料制サービス「Amazon Prime」の米国の会員向けに、無料音楽ストリーミングサービス「Prime Music」の提供を開始したと発表した。
Amazon Primeでは映画やテレビ番組などのコンテンツを無料でストリーミングできる「Prime Instant Video」やKindle書籍を無料で読める「Kindle Owners' Lending Library」などを提供しており、音楽を追加することで会員の囲い込みを強化する狙いだ。Amazonは3月、Primeの年会費を79ドルから99ドルに値上げした。
米国での音楽ストリーミングサービスとしてはSpotifyやPandoraが主流で、米AppleもiTunes Radioと先ごろ買収したBeats ElectronicsのBeats Musicを擁している。
Prime Musicでは、Amazonがキュレーションした100以上のプレイリストが用意されており、100万曲以上の楽曲を聴ける(年会費99.99ドルのBeats Musicでは2000万曲以上の楽曲を聴ける)。
Amazonは発表文で「ダフト・パンクやブルーノ・マーズなどのトップアーティストの数万曲が聴ける」としているが、米Bloombergなどによると、カニエ・ウェストやレディー・ガガが所属する米大手レーベルのUniversal Music Groupとは成約できていないという。
Amazonはまた、これまで「Amazon Cloud Player」という名称で提供してきたiOSおよびAndroidアプリの名称を「Amazon Music」に変更した。Prime会員はこのアプリでもPrime Musicのサービスを利用できる。
Amazonは18日にオリジナルスマートフォンを発表するとみられている。
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