ベネッセホールディングス(ベネッセHD)は7月17日、ベネッセコーポレーションから大量の顧客情報を流出させた疑いで業務委託先のSEが逮捕されたことを受け、今後の対応を発表した。情報が流出した顧客へのお詫び対応として200億円の原資を準備し、「誠実に対応する」という。
200億円の用途は「お詫びの品や受講費の減額など、様々な方法を検討する」という。具体的な内容は「情報が漏えいしたお客様の確定などを待って、さらなる検討作業が必要となる」としている。お詫びの品の内容は「過去の事例も参照したい」という。
今後は「世界トップクラスの情報セキュリティの確立が使命」とし、顧客支援を行う専門組織「お客様本部」(仮称)を設置。不審なダイレクトメールや電話などの情報について提供を受けた場合、発信者に対し、不正取得した名簿の利用停止などを呼び掛ける。顧客情報が不正入手された場合、入手ルートの解明などにも取り組むという。
関連記事
- ベネッセ情報流出、派遣SEを逮捕 顧客データ複製の疑い
ベネッセの情報流出問題で、警視庁は不正競争防止法違反の疑いで外部業者のSEの男(39)を逮捕した。 - ベネッセ情報流出、ジャストシステムに販売した業者がコメント 「不正情報含む認識なかった」
ベネッセの顧客情報流出で、ジャストシステムに個人情報を販売した業者がコメント。データは他社から購入したもので「不正な流出情報が含まれている認識は全くなかった」という。 - ベネッセ流出、SEの派遣社員を立件へ 「名簿がカネになると思った」 関与認める
ベネッセ顧客情報が大量流出問題で、DBを管理する下請け業者の派遣SEの男が流出に関与した疑いが強まった。任意の事情聴取に「名簿がお金になると思った」と、持ち出したことを認めたという。 - ベネッセ原田社長、ジャストシステムを批判 「一方的なデータ削除は原因究明を難しくする」
ベネッセHDの原田社長は、ジャストシステムによる購入データの削除を「原因究明を難しくする」と批判。関係先に対し情報開示と捜査への協力を求めている。 - ジャストシステム、購入した個人情報257万件を削除 「出所が明らかになっていない状況で購入」
ベネッセの個人情報流出問題で、ジャストシステムは名簿業者から購入した個人情報257万件を削除。「企業としての道義的責任」としている。 - ジャストシステム、「流出情報と認識して利用した事実ない」 ベネッセ顧客情報流出問題
ベネッセから流出した個人情報を使ってDMを送ったと指摘されているジャストシステムは「流出した情報と認識した上で利用した事実は一切ない」とコメントした。 - 「子供の名簿」はカネになる 20倍で転売の価値 法規制なく名簿業者野放し
ベネッセの個人情報漏えい問題で、子供の名簿が「宝の山」として取引されていることが明らかに。1件1円で買い取り、20円ほどで転売できるという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.