Google、人工知能応用のシティガイド企業「JetPac」を買収
Googleが買収するJetPacは、数億枚のInstagram画像の解析データを利用するシティガイドアプリやiPhoneのカメラで撮影したオブジェクトを識別するアプリなどを公開しているディープラーニング(深層学習)技術の新興企業だ。
米Googleが、人工知能(AI)を応用するシティガイドアプリを手掛ける米JetPacを買収する。JetPacが公式サイトで8月15日(現地時間)に発表した。
JetPacは2011年創業のカリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置く非公開企業。「Jetpac City Guides」「Spotter」「Deep Belief」という3つの無料アプリを米AppleのApp Storeで公開している。いずれもAI技術のディープラーニング(深層学習)を応用したアプリだ。
同社はGoogleのエキサイティングなプロジェクトに参加するために、これらのアプリを近日中にApp Storeから削除し、サポートは9月15日に終了するという。
City Guideは、Instagramで公開されている膨大な画像を解析し、世界6000都市の人気スポットを画像によるトップ10形式で紹介するアプリ。例えば「女性に人気のバー」や「青空が美しい場所」「地元に愛されているレストラン」などを地域ごとにチェックできる。
JetPacはこのアプリのために「Deep Belief Network」技術を使って数億件のInstagram画像を解析したという。
SpotterはiPhoneのカメラで読み取らせたオブジェクトが何であるかを判定するアプリ、Deep Beliefは、iPhoneのカメラで撮影したオブジェクトが何であるかをユーザーがiPhoneに教えるアプリだ。
JetPacはAIの可能性について公式ブログで、「ビールのストックが減ると自分で発注する冷蔵庫」といったIoTへの応用や、「会議の開始が1時間延期されたら自動的にアラームを1時間遅らせる」といった予定表機能への応用を挙げている。
Googleでの“エキサイティングなプロジェクト”がどのようなものかは不明だが、JetPacの技術はGoogle Mapsのスポット機能や「Google Now」の強化、NestのIoTサービス、自動運転カー向けソフトウェアなどに利用できそうだ。
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