写真でも映像でもなく“空間画” 思い出を3Dモデルで残すアプリ「Fyuse」 ロボット技術を応用
垂直や平行方向に周り込むように撮影することで、被写体を3Dモデルとして撮影できるカメラアプリ「Fyuse」が登場した。ロボットの画像認識技術を応用している。
ある空間を3Dモデルとして撮影できるカメラアプリ「Fyuse」(iOS/Android)のバージョン2を米Fyusionがリリースした。スマートフォンのカメラを使い、空間を撮影することで3Dモデルを生成、立体として保存できるのが特徴だ。利用は無料。
アプリを起動し、水平か垂直方向に撮影対象を回りこむように映すだけ。撮影データはスマートフォンを傾けたり、指でドラッグすると好きな角度から見ることができる。通常の全天球写真やパノラマ写真のように各角度の画像を貼り合わせるのではなく、被写体自体の3Dデータを独自技術で取得・生成し、歪みなくリアルに再現する“空間画”として残す。
セルフィー(自撮り)で表情の変化を記録したり、フィギュアやコスプレをあらゆる角度から1度に撮影したり、乗り物に乗っている時にスピード感をそのままに景色を捉えたり――など、使い方はいろいろ。新作アイテムをユーザーの好きな角度から見られるような仕組みをファッションブランド「Pyer Moss」のアプリに導入するなど、企業との提携もすすめる。
Fyusionはロボットベンチャーの米ウィローガレージで3D認識技術の開発に携わり、3D点群処理のオープンソースライブラリ「Point Cloud Library」(PCL)を立ち上げたラドゥ・ラス博士が立ち上げた会社。「Fyuse」にもロボット開発の基礎技術が用いられており、将来はユーザーが取得した3Dモデルを、ロボットが物体を認知・特定するデータベースの礎に――という構想もあるという。
同社に出資する東京大学エッジキャピタル(UTEC)はテクノロジー系ベンチャーに特化したベンチャーキャピタルで、「MUJIN」など国内ロボット関連企業にも出資している。山本哲也さんは「『鉄腕アトム』『ガンダム』『攻殻機動隊』などのイメージが強く、世界のロボット研究者にとって日本は憧れの場所。今後Fyusionと大学や企業との共同研究なども検討していければ」と話している。
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