Google、SpaceXの衛星ネット接続サービスに出資か──The Information報道
SpaceXのイーロン・マスクCEOが構想する低軌道衛星によるインターネットプロジェクトに、Google他数社が100億ドル以上を出資するとThe Informationが報じた。
米Googleが、米宇宙開発企業SpaceXの低軌道衛星によるインターネット接続プロジェクトに出資すると、米The Informationが1月19日(現地時間)、複数の情報筋の話として報じた。
このプロジェクトは、現在ネットに接続できない環境にある数十億人のために安価で安定したネット環境を提供することが目的。750マイル(約1200キロ)上空という、通常の人工衛星(2万2000マイル)より低空に約700基の小型衛星を飛ばし、衛星間でパケットを転送するというもので、SpaceXのイーロン・マスクCEOは、宇宙空間でのパケット転送はケーブルより40%速いとしている。
マスク氏は16日、現在進行中のこのプロジェクトについて、実際に提供できるようになるにはあと5年はかかり、コストは100億ドル(約1兆1760億円)に上ると語った。
The Informationによると、SpaceXは近くこのプロジェクトのために100億ドル以上の増資を行い、このラウンドをGoogleがリードするという。
Googleも“残りの50億人”のための空中インターネット接続サービスプロジェクト「Project Loon」に取り組み中だ。こちらは衛星ではなく気球によるものだが、昨年6月に小型衛星企業Skyboxを買収しており、同社の技術をネット接続支援に生かすとしていた。
SpaceXは当初、このプロジェクトのパートナーとして昨年9月にGoogleを退社し、人工衛星ベンチャーWorldVu Satellites(現OneWeb)を立ち上げたグレッグ・ワイラー氏と組むと報じられていたが、マスク氏は衛星技術に関する考え方の相違により、衛星を自社で製造することにしたと米Bloombergに語っている。
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