TPP知財交渉、十分な情報公開を――ネット関連団体が緊急声明案を公開
クリエイティブ・コモンズ・ジャパンとthinkC、MIAUで構成する「TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム」は、TPPの知財分野の交渉について十分な情報公開などを求める緊急声明案を公開した。
クリエイティブ・コモンズ・ジャパンとthinkC(著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム)、MIAU(一般社団法人インターネットユーザー協会)で構成する「TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム」は2月24日、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の知財分野の交渉について、各国の利害対立が大きい条項の妥結案からの除外と、十分な情報公開を求める緊急声明案を公開した。内容への意見や賛同を募っている。
TPPの知財条項をめぐっては、著作権保護期間を米国に合わせて作者の死後70年に延長することや、著作権侵害を非親告罪化する方向で調整に入ったと一部報道機関が報じているが、交渉の詳細は公開されていない。
声明案は「わが国の文化・社会にとって重要な決定が国民不在の密室の中でおこなわれ、21分野一体のため事実上拒否できない妥結案だけが国民に提示される事態を、深く憂慮する」としている。
著作権保護期間の延長は「ほとんどの遺族には収入増をもたらさず、権利処理困難により死蔵作品を増やし、古い作品に基づく新たな創造を困難にすることは既に国内外の実証研究から明らか」と指摘。
著作権侵害の非親告罪化は「厳密にいえば違法だが権利者に実害がない限り問題視されていない多くの利用を萎縮させる恐れがある。パロディなどの2次創作、ネット新ビジネス、復刻出版など非悪質な利用において、権利者ではなく警察・検察に手続きの主導権が移る」と憂慮する。
その上で、「各国の利害対立の大きい知財条項を妥結案から除外して海賊版対策のような異論の少ない分野に絞り、さらに条項案を含む十分な情報公開を修正交渉が可能な段階におこなうこと」を強く求めている。
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