Google、「Android for Work」で企業のBYODを支援:Apple+IBMに対抗
Googleが、個人のAndroid端末を仕事でも安全に使えるようにする企業向けのBYOD支援サービス「Android for Work」を発表した。IBMやCitrixのMDMをサポートし、ユーザーは1台の端末で個人用と仕事用のプロフィールを切り替えて使える。
米Googleは2月25日(現地時間)、個人のAndroid端末を仕事でも安全に使えるようにするための企業向けサービス「Android for Work」を発表した。
Android for Worksは、同社のビジネス部門であるGoogle for Worksが提供する、OSレベルで個人データと仕事用データを分けるBYOD(Bring Your Own Device)支援サービス。昨年のGoogle I/Oの基調講演で紹介はされていたが、具体的なサービスとしてようやく発表された。
立ち上げ段階の主な機能は、
- Workプロフィール:個人プロフィールとは別の仕事用プロフィール。ユーザーは企業のアプリや重要データをこのプロフィールで利用する。高度な暗号化で守られており、企業はこのプロフィールを管理できるが、ユーザーの個人プロフィールは見ることができない(Android 5.0 Lollipop以降)
- Android for Workアプリ:Workプロフィールをサポートしない旧Android(バージョン4.0 Ice Cream Sandwich〜)向けのセキュアなメール、カレンダー、連絡先、文書作成、Webブラウザアプリ。これらは企業が管理できる
- Google Play for Work:企業が従業員にアプリを提供するための専用アプリストア
- プロダクティビティツール: Microsoft Exchange、IBM Notes、Google Apps for Workをサポートする
Android for Workのアプリのアイコンにはオレンジ色のビジネスバッグマークが付いている。
GoogleはAndroid for Workで、Samsung、ソニー、LG Electronics、Lenovo(傘下のMotorolaを含む)、HTC、Huawei、Dell、Hewlett-Packard(HP)などの端末メーカーや、SAP、salesforce.com、Adobe Systems、Box、Citrix、BlackBerry、Cisco Systemsなどの企業向けサービス企業と提携する。モバイルデバイス管理(MDM)としては、米Appleとも提携する米IBMのMaaS360も利用できる。
端末の企業での利用については、Appleが昨年7月にIBMと提携し、IBMのビジネスアプリをインストールしたiOS端末をIBMが企業に販売している。
Android for Workに興味のある企業は、専用ページからサインアップできる。
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