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楽天、図書館向け電子書籍配信のOverDriveを買収 4億ドル
楽天は、米国などで図書館向け電子書籍配信サービスを提供する米OverDriveを買収した。電子書籍のユーザー基盤を拡大させる狙いだ。
楽天は3月19日、米国などで図書館向け電子書籍配信サービス「OverDrive」を提供する米OverDrive Holdingsの発行済み全株式を約4億1000万ドルで取得し、100%子会社化すると発表した。電子書籍ユーザーの基盤を拡大させる狙いだ。
「OverDrive」は、OverDrive Holdings傘下の事業会社が展開するB2B2C型の電子書籍配信サービス。図書館や教育機関などを対象に、電子書籍やオーディオブックなどの貸し出しをサポートする仕組みで、米国、カナダ、英国など約50カ国で約5000の出版社が提供する250万以上のタイトルを扱い、3万を超える施設にサービスを提供。普及率は世界最大という。
ユーザーは、図書館や教育機関の貸出用IDを使い、PC/モバイルアプリ経由で「OverDrive」にアクセスして電子書籍などを借りる。借りたコンテンツは手持ちのPC/モバイル端末で楽しめ、貸出期間終了後は利用できなくなる仕組み。希望するタイトルが貸出中の場合は、予約をするか、同タイトルの電子書籍を購入できる。
図書館や教育機関などからの利用料が主な収入源で、2014年度のEBITDAは2500万ドル。OverDriveが加わることで、2015年の楽天グループの電子書籍事業は、EBITDAベースで黒字に近づく見込みとしている。傘下の電子書籍端末企業Koboのネットワークと組み合わせたシナジーも期待できるという。
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