Google Nowの気が利き過ぎる新機能「Now on tap」 機械学習でニーズを先取り
Googleの次期モバイルOS「Android M」では、どんなアプリを使っていても、ホームボタンを長押しすることでユーザーのコンテキストに合わせた情報カードを表示する新機能「Now on tap」が利用できるようになる。
米Googleは5月28日(現地時間)、年次開発者会議Google I/O 2015において、次期OS「Android M」で利用できるようになる「Google Now」の新機能「Now on tap」を発表した。
Android/Chrome/Apps担当上級副社長、スンダー・ピチャイ氏は基調講演で、Google Nowの強化のために機械学習技術を採用し、「ユーザーが自分に必要だと気付きさえしない必要な情報を、必要になる前に提示」することを目指していると語った。
Now on tapは、コンテキスト(=文脈。この場合は、ユーザーがいつ、どこで、どのようなアプリを使っているかといった総合的な状況)ベースでユーザーに必要な情報を推測して提示する機能だ。
使い方は、Android端末でブラウザを含む何らかのアプリを開いた状態でホームボタン(画面下中央の「○」)を長押しするとコンテキストに合った情報カードがその画面のまま表示されるというもの。または、「OK, Google」に続けて質問を音声で入力することもできる。
例えば、映画「トゥモローランド」を見に行こうという誘いのメールを開いた状態でホームボタンを長押しすると、この映画のレーティング、YouTubeでのトレーラーへのリンク、映画レビューサイトIMDbとFlixsterへのリンクが表示され、IMDbのアイコンをタップするとIMDbのWebサイトが開く。戻るボタンでメールに戻れるので、おもしろそうかどうかを判断してから返信できる。
チャット中で「今日のディナーどうする?」「メキシコ料理の気分」「Reposadoはどう?」という会話の途中でホームボタンを長押しすると、Reposadoというレストランのレーティングと、ナビ、電話、Yelp、OpenTableへのリンクが表示され、OpenTableのリンクをタップするとそのまま予約ができる。
「OK, Google」での質問の例では、音楽ストリーミングアプリのSpotifyでトゥエンティ・ワン・パイロッツの曲を聴きながら、「OK, Google、リードボーカルは誰?」と尋ねると(リードボーカルの)タイラー・ジョセフの情報カードが表示される。
基調講演では他に、レストランのページでメニューに書いてある知らない料理について「OK, Google、この料理の写真を見せて」と言って画像を表示するデモが行われた。
Googleは、この機能はユーザーにとって便利なだけでなく、サードパーティーアプリの開発者にとってもアプリのプレゼンスを上げる機会になると説明した。
Now on tapでアプリを表示させるには、開発者は自分のアプリをApp Indexingに対応させておく必要がある(対応方法はこちら)。
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