Google、Twitch対抗のゲーム実況/動画サービス「YouTube Gaming」を今夏開始
TwitchをAmazon.comに奪われたGoogleが、実況を含むゲーム動画サービス「YouTube Gaming」を今夏まずは米英で立ち上げる。
米Googleは6月12日(現地時間)、YouTube上での実況を含むゲーム関連動画の総合サービス「YouTube Gaming」を発表した。今夏にまずは米国と英国でスタートする。専用モバイルアプリも提供する計画だ。
YouTube Gamingは、米Amazon.com傘下のTwitchのようなゲーム実況が中心のサービス。Googleは昨年、Twitchを買収するとうわさされたが、TwitchはAmazon.comが9億7000万ドルで買収した。
Twitchは、ゲームのプレイヤーが自分のプレイをストリーミング配信できるオンラインサービス。PCゲーム、プレイステーション 4(PS4)、Xbox Oneなどに対応し、アカウントをYouTube、Steam、Twitter、Facebookのアカウントと接続することで、各サービスと連係できる。
Twitter上でYouTube Gamingの公式アカウントが「新しいプレイヤーがゲームに参加した」とツイートすると、Twitchの公式アカウントが「ようこそ“Player 2”。Google+にうちを登録しておきな」と応酬した。
YouTube GamingはYouTubeのサブドメイン(gaming.youtube.com)になっており、YouTube本体とは独立したサービスになるようだ。例えば「call」で検索すると、YouTubeではカーリー・レイ・ジェプセンの曲「Call Me Maybe」が表示されるが、YouTube Gamingでは人気ゲーム「Call of Duty」が表示されるとGoogleは説明する。
立ち上げ段階で“アステロイドからゼルダまで”、2万5000本以上のゲームの「ページ」や、ゲームメーカーや人気ゲーマーの「チャンネル」が用意されるという。
ゲーム実況のページは、実況画面の右にライブチャットコーナーがあり、Twitchのようだ。
ユーザーは、お気に入りのページやチャンネルを「My Games」に登録できる。登録したページやチャンネルが更新されたり、実況の予定があるとプッシュ通知がくる。また、登録履歴によって、好みのゲームが紹介される機能もある。
YouTubeではマインクラフトなどのゲームプレイ動画が人気だ。YouTubeは5月に、ライブストリーミングで60fpsをサポートすると発表した(録画は既に60fpsをサポートしている)。
公式ブログには明記されていないが、恐らくゲームメーカーや実況者は広告収入を得られることになるだろう。YouTubeの収益化というGoogleの長年の課題の強力な解決策になりそうだ。
関連記事
- 小学生にブーム「マインクラフト」 口コミとYouTubeでじわり拡大 その魅力とは
海外ゲーム「マインクラフト」が、日本の小学生の間でブームの兆しを見せている。メディアやメーカーが仕掛けたのではなく、子どもの間で自然発生したブームのよう。一体、どのように子ども達の心をとらえたのか――。 - Google、12%の増収 「YouTubeは広告収入に貢献している」
Googleの1〜3月期の決算は、アナリスト予測は下回ったものの、増収増益だった。同社は、CPC(クリック単価)が減少しているのはYouTubeのTrueViewの影響で、これを除けば“健全に”伸びていると説明した。 - なぜ人気?「ゲーム実況」 実況者にアイドル的注目、ゲーム会社が公認・活用の動きも ドワンゴに聞く
ゲームをプレイする様子を解説やトークと同時に楽しむ「ゲーム実況」。ニコニコ動画への投稿数はこの数年で激増し、「実況者」も若年層を中心に人気を集めている。その背景をドワンゴに聞いた。 - ゲーム実況のTwitch、GoogleではなくAmazonが9億7000万ドルで買収
Googleが買収交渉中と報じられていたゲーム実況のTwitchをAmazon.comが9億7000万ドルの現金で買収すると発表した。Twitchは独立子会社として従来通りサービスを運営していく。 - YouTube、無料の効果音ライブラリや“投げ銭”機能、60fpsサポートなどを発表
YouTubeのオーディオライブラリに音楽に加えて銃声やドアの閉まる音などの効果音が追加され、ゲームプレイ動画投稿者待望の60fps対応やファンが気に入ったチャンネルに寄付できる「Fan Funding」機能なども近く登場する。 - Twitch、YouTubeでの自動実況告知アノテーション機能を追加
ゲーム実況動画配信のTwitchが、YouTubeの動画上にTwitchでの実況に誘導するアノテーションを自動的に表示させる機能を追加した。 - YouTube、ライブ動画サービス「YouTube Live」をスタート
YouTubeがUstreamやニコニコ生放送のようなライブ動画サービスを立ち上げた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.