Google、医療専用リストバンドを開発中──Bloomberg報道
Googleの“ムーンショット工場”「Google X」の生体研究プロジェクトチームが、患者の詳細な生体情報や環境情報を監視できる医療機関向けの専用リストバンドを開発中であると、チームを統括するアンドリュー・コンラッド博士がBloombergに語った。
米Googleが医療レベルのフィットネスリストバンドを開発中であると、米Bloombergが6月23日(現地時間)に報じた。Google Xの生体研究プロジェクト「Baseline Study」を統括するアンドリュー・コンラッド博士がインタビューでそう語った。
このリストバンドは一般ユーザー用ではなく、医療機関向け。患者の脈拍、心拍数、体温などの身体情報だけでなく、その患者がいる環境(露光量や騒音レベル)情報もリモートで確認できるものになるという。
米Appleは3月、「ヘルスケア」をはじめとする各種HealthKitアプリで収集したユーザーの体重や心拍数などのデータを医療機関に提供するフレームワークResearchKitを発表した。こちらはiPhoneやApple Watchを利用するもので、専用の端末は使わない。
また、GoogleのAndroid Wearにもヘルスケア関連機能がある。だが、こうした端末では研究に必要な厳密なデータは収集できないとコンラッド氏はみている。
同社は学術機関や医薬品メーカーと協力してこのリストバンドのテストを実施し、欧米当局の認可を得たいとしている。将来的には健康な人も装着し、病気の早期発見に役立てたいとコンラッド氏は語った。
GoogleはGoogle Xで、血糖値を測定するスマートコンタクトレンズや、疾病早期発見のためのナノ粒子ピルなどの医療プロジェクトを進めている。
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