IBM、「Apple Watch」などのヘルスビッグデータ部門「Watson Health」立ち上げ
IBMが、AppleのHealthKitおよびResearchKit採用アプリがiPhoneやApple Watchユーザーから集めたヘルスケア関連データを「Health Cloud」に保存し「Watson」で解析できるようにするサービス部門「Watson Health」を立ち上げた。
米IBMは4月13日(現地時間)、ヘルスケア関連のビッグデータ専門部門「Watson Health」を立ち上げたと発表した。米Appleの「Apple Watch」を含むウェアラブル端末で収集するヘルスケア関連のユーザーデータをクラウドに集め、自然言語ベースのコグニティブ(認知的)技術「Watson」によるビッグデータ解析サービスを開発・提供する。
同社はWatson Healthの立ち上げとともに、昨年7月に発表したAppleとの提携の拡大、米医薬品・日用品大手のJohnson & Johnsonおよび米医療技術大手のMedtronicsとの提携、医療企業のExplorysおよびPhytelの買収も発表した。
Appleとの提携拡大では、Appleの「HealthKit」と「ResearchKit」を採用するiOSアプリの開発者に対し、アプリが収集するユーザーの健康関連データをセキュアに保存・解析・モデリングするための場として「Health Cloud」を提供する。
また、IBM自身もAppleのHealthKitを使って企業向けの健康管理アプリを開発し、「MobileFirst for iOS」アプリとして提供する計画。
HealthKitは、iPhoneおよびApple Watchで収集するヘルスケアデータをサードパーティーアプリで使えるようにするためのツール。ResearchKitは、iPhoneおよびApple Watchのユーザーが医療機関の研究にデータを提供できるようにするオープンソースのソフトウェアフレームワーク。ResearchKitを採用するアプリは米国で既に公開されており、スタンフォード大学の心臓疾患関連の医療研究データを収集する「MyHeart Counts」は公開後1時間で1万本ダウンロードされた。
関連記事
- AppleとIBMが企業向けモバイルで大規模提携 IBMは専用アプリ搭載のiOS端末を販売へ
IBMはiOS専用のデータ分析などのアプリを開発し、それらのアプリをインストールしたiOS端末を顧客に販売する。 - AppleとIBM、iOS向けビジネスアプリをまずは10本リリース
7月に企業向けモバイルでの大規模提携を発表したAppleとIBMが、その第一弾として業種別ビジネスアプリ10本をリリースした。今後「IBM MobileFirst for iOS」として100本以上のアプリを提供していく。 - Apple、iPhoneで医療研究に貢献できる「ResearchKit」を発表
医療研究期間はResearchKitで開発したiPhoneアプリを通して多数のユーザーから研究に必要なデータを収集できる。まずは米国のApp Storeで、ぜんそく、パーキンソン病、糖尿病、乳がん、心疾患の研究に協力できるアプリが公開された。 - 「Apple Watch」開発用“フィットネス研究ジム”、初公開
Appleが「Apple Watch」の健康とフィットネス関連機能を開発するためにキャンパス内に秘密のフィットネスジムを設置し、従業員の協力の下、2年以上にわたってデータを収集していたことが、ABC Newsの独占取材で紹介された。 - IBM、「Watson Analytics」のβ版を一般公開
IBMのクラウドベースの解析サービス「Watson Analytics」のβ版が無料で公開された。スプレッドシートやデータベースなど、対応するファイルをアップロードして解析できる。 - iOS 8.0.2アップデート後、「ヘルスケア」サポートアプリが多数登場
iOS 8.0.2アップデートでHealthKitアプリのバグが修正され、App Storeに「ヘルスケア」アプリをサポートするアプリが登場している。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.