“実録ヒモ男養成漫画”「ヒモザイル」休載 ネット公開で炎上 作者・東村アキコ氏「嫌な気持ちになった方には本当に申し訳ない」
“実録ヒモ男養成漫画”こと「ヒモザイル」が休載。お金はないが夢のある男性と、経済力はあるが結婚できない女性を東村氏がマッチングするプロジェクトの実録漫画で、ネットで賛否両論が巻き起こっていた。
講談社は10月21日、月刊漫画誌「モーニング・ツー」に連載中の漫画「ヒモザイル」を休載すると発表した。作者の東村アキコ氏から休載の申し入れがあったとし、2015年12号(10月22日発売)への第3話の掲載を見送った。
同作は、お金はないが夢のある男性と、経済力はあるが結婚できない“バリキャリ”女性を東村氏がマッチングするプロジェクトの実録漫画で、ネットで無料公開された第1話・第2話をめぐって賛否両論が寄せられていた。東村氏は「嫌な気持ちになった方には本当に申し訳ない」などとコメント。「お休みさせていただきながら、今後について考えたい」としている。
同作は、東村氏本人や友人、東村氏の漫画制作を手伝う男性アシスタント、担当編集者などが作中に登場する実録漫画。「実録ヒモ男養成漫画!」というキャッチフレーズで、「モーニング・ツー」15年10月号(15年8月発売)で連載スタート。9月に第1話、第2話がWeb公開でされた。
東村氏の男性アシスタントなど、夢はあるがお金がなく、モテないという男性に、東村氏がモテファッションを指南するなど“ヒモ”として教育し、経済力のある“アラサー”女性とマッチングする課程を実録で追うという斬新な切り口に注目が集まった一方、「配慮に欠ける」などと批判的な意見も出ていた。
作中では、東村氏の友人女性が、漫画家として芽が出ない東村氏の男性アシスタントに幼い息子を世話してもらった後、「うちの子があんな風(男性アシスタントのよう)になったらどうしよう……」と発言し、東村氏がそれについて「子を想う母親の一般的な感覚」だと述懐したり、家事や育児を一手に担ういわば「専業主夫」を「ヒモ」と扱うなどしており、Twitterなどで批判が集まった。
講談社のモーニング編集部は21日、同作について「SNS等で様々なご感想をいただいた」ことを受け、「東村アキコ氏からは、しばらく時間をかけて内容を吟味し、発表できる形になってから再開したいとの申し入れがあった」ため、「著者の考えを尊重」して休載を決めたと発表。
東村氏はコメントで、「WEB上で公開した後、たくさんのご意見をいただきました。嫌な気持ちになった方には本当に申し訳ないと思ってます。そして、連載を楽しみにしてくださっている方々、本当にごめんなさい。本作は実際の出来事を元に描いていこうと考えていたので、皆様からの反響に向き合わずに創作を続けることはできないと判断しました」と休載の理由を説明し、「お休みさせていただきながら、今後について考えたいと思います」としている。
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