Google、検索アルゴリズムにAI(人工知能)「RankBrain」のシグナルを採用
Googleの上級科学研究員が、Bloombergのインタビューで、Google検索のアルゴリズムで「RankBrain」と呼ばれるAIシステムを採用したと語った。
米Googleはここ数カ月、検索アルゴリズムで、「RankBrain」と呼ばれるAI(人工知能)ベースのシステムを使っている──。米Bloombergが10月26日(現地時間)に掲載した記事のインタビューで、Googleの上級科学研究員、グレッグ・コラド氏がそう語った。
Google検索が毎秒受け取る膨大なクエリーの、約15%は検索エンジンにとって全く新しいものという。RankBrainは、検索エンジンがこうした未知のクエリーを“理解”するのを助ける。入力された未知の言葉を検索エンジンが理解できるベクターと呼ばれる数値に変換し、その数値が既知のどの言葉と近い意味を持つかを推測する。
コラド氏によると、Googleの検索アルゴリズムは検索結果を出すために数百のシグナルを使っているが、RankBrainのシグナルは今や、3番目に重要なシグナルとなっているという。
RankBrainに幾つかのWebページを“見せて”、Google検索がどのページを検索結果の上位に表示するかを予測させたところ、検索アルゴリズムが専門のGoogleのエンジニアの正解率が70%のところ、これを10ポイント上回る80%の正解率だったという。
GoogleはGmailのスパムフィルタでもAI技術を採用している。
RankBrainをGoogle検索で採用する前に、同社は約1年間、検索やディープラーニングの専門家チームでテストしたという。「検索はGoogleの基盤だ。機械学習は、問題に注ぐとその問題を解決できる魔法のシロップではない。実行に値すると確信できるものを構築するには、膨大な考察と慎重さが必要だ」とコラド氏は語った。
関連記事
- Google、Gmailのスパムフィルターに人工ニューラルネットワークを採用
機械学習の実用化を進めるGoogleが、Gmailのスパムフィルターに人工ニューラルネットワークを採用した。ユーザーによってスパム判定をパーソナライズする機能も追加した。 - Google、モバイル重視の検索アルゴリズム変更を4月21日に実施へ
Googleが、モバイル端末からのGoogle検索の利用増加に対応する目的で、“モバイルフレンドリーな”Webサイトのランクを上げるアルゴリズム変更を4月21日に実施する。GoogleはWebオーナーに、サイトをモバイルフレンドリーにするための手引を公開している。 - Googleの人工知能「DQN」、アタリゲームで人間よりハイスコア叩き出す
Google傘下の人工知能企業DeepMindが、ブロック崩しなどのビデオゲームのルールをほぼゼロから学習し、人間よりハイスコアを獲得するまでに成長する人工知能アルゴリズム「DQN」に関する論文をNatureで発表した。 - Googleのラリー・ペイジCEO、TEDで人工知能を語る
Googleのラリー・ペイジCEOがTED 2014に登壇し、買収した人工知能企業DEEPMINDの技術で取り組んでいることなどについて語った。 - Google、人工知能企業DEEPMINDを買収
ロボット企業やスマートホーム企業を積極的に買収しているGoogleが、往年の天才ゲーム開発者で認知神経科学の博士号を持つデミス・ハサビス氏が立ち上げたAI企業を買収する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.