「Firefox 42」安定版リリース──タブミュート機能やプライベートブラウジングの追跡ブロック機能
Mozillaが「Firefox 42」の安定版をリリースした。プライベートブラウジングに広告や解析のためのトラッキングを遮断する機能が追加された他、隠れているタブの音を1クリックでミュートする機能などが追加された。重要度「最高」3件を含む18項目の脆弱性も修正された。
米Mozilla Foundationは11月3日(現地時間)、Webブラウザの安定版アップデートとなる「Firefox 42」をWindows、Mac、Linux、Android向けに公開した。
主な新機能を紹介する。
プライベートブラウジングにトラッキング保護機能追加
従来のFirefoxのプライベートブラウジングは、閲覧履歴とクッキーを保存しないことでユーザーのプライバシーをローカルに保護するもので、サードパーティーへのユーザーデータの提供は行われていた。新版ではプライベートブラウジングにトラッキング保護機能が追加され、広告および解析のためのトラッキングやソーシャルボタンがユーザーの行動を記録することをブロックする。
広告ブロックツールのようにWebページに広告が表示されなくなるわけではないが、プライバシーの保護が強化され、トラッキングがない分、速度も上がる。
この機能はAndroidを含むすべてのプラットフォームで追加された。プライベートブラウジングは右上の[≡]アイコンをクリックすると表示される「プライベートブラウジング」をクリックすることで利用できる。
音声再生タブを開かずにミュート
複数のタブを開いていて、表示していないタブで音声が再生されると、どのタブが鳴っているのか分からなかったが、タブにスピーカーアイコンが表示されることでこれが分かるようになった(Chromeには既にある機能)。さらに、このアイコンをクリックすれば、タブを非表示のまま音をミュートできる(Chromeにはない機能)。
セキュリティ関連
セキュリティ機能では、Webサイトへの接続が安全かどうか確認するためのアイコン表示が一部変更された。FirefoxではアドレスバーのURL左側に表示されるアイコンの種類や色で安全性をチェックできる仕組みで、これまでは通信が暗号化されているHTTPSサイトについて、一般的な「ドメイン認証(DV)証明書」の使用サイトは灰色の鍵アイコン、厳格な認証をクリアして発行された「EV証明書」の使用サイトは緑色の鍵アイコンで区別していた。
しかし一般ユーザーには違いが分かりにくいというフィードバックが寄せられたことを受け、いずれも接続の安全性が確保されていることを伝えるために緑色の鍵で統一。EV証明書の使用サイトについては引き続き、ドメイン所有者の名称を緑色で表示する。
HTTPSページにHTTPコンテンツが含まれる「混在コンテンツ」状態のサイトについては、Firefoxでアクティブコンテンツがブロックされている場合は従来の灰色の盾アイコンは表示せず、緑の鍵アイコンに灰色の警告マークが付くようになった。同マークをクリックすると、詳しい情報の参照や保護の無効化が設定できる。
一方、Firefoxの初期設定ではブロックされない「混在パッシブコンテンツ」が読み込まれるサイトでは、完全な安全性を保証できないことを示すために鍵アイコンが灰色になり、黄色い警告マークが表示される。
Firefox 42では計18項目の脆弱性も修正された。3件が重要度「最高」に区分けされており、このうち「Network Security Services(NSS)とNetscape Portable Runtime(NSPR)のメモリ破損問題」では、潜在的に悪用可能なクラッシュを誘発される可能性があることが判明。NSSとNSPRを更新してこの問題に対処した。
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