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Mozilla、iOS 9向け“コンテンツブロッカー”アプリ「Focus」リリース
Mozillaが、iOS版Safariブラウザで稼働するコンテンツブロックアプリ「Focus by Firefox」をApp Storeで公開した。ブロックされたコンテンツ提供者にサービス改善の道を示すことで、Webエコシステム全体の改善を目指す。
Mozillaは12月7日(現地時間)、iOS版Safari向け“コンテンツブロッカー”「Focus by Firefox」を米AppleのApp Storeで公開したと発表した。Appleが「iOS 9」に追加した広告ブロック機能「コンテンツブロッカー」を採用しているため、iOS版Firefoxでは利用できない。
コンテンツブロッカーを利用する広告ブロックアプリは既に複数リリースされているが、「Focus」の大きな特徴は、ブロックリストがGitHubで公開されていること。このリストは、MozillaのパートナーDisconnectが提供するもので、General Public Licenseでオープンソース化されている。
このリストとブロック定義を参照することで、Focusでコンテンツをブロックされたコンテンツ提供者はサービスを改善できるとMozillaは説明する。
Mozillaはコンテンツブロックに関して、以下の3つの方針を打ち出している。
- コンテンツの中立性:(広告などの)特定の種類のコンテンツのブロックではなく、(Webブラウザのパフォーマンス、セキュリティ、プライバシーなどの)ユーザーのニーズへの対応を目的とすべきである
- 透明性とコントロール:ユーザーに透明性と提供する機能を制御する権限を提供すべきである
- 開放性:コンテンツ源がどこであろうと、同じ方針で公平にブロックすべきである。パブリッシャーなどのコンテンツ提供者は、製品やサービスをWebから遮断されてしまう恒久的なペナルティボックスに押し込めれるのではなく、オープンなWebエコシステムに参加する道を与えられるべきである
MozillaはFocusを「ユーザーとコンテンツ提供者についての議論を活性化する契機にしたい」としている。
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