準惑星ケレスに見つかった不思議な明るい点の正体はおそらく「塩」──とする研究結果を独マックスプランク研究所などのチームがまとめ、英科学誌「Nature」に12月10日付で掲載された。
明るい点は、米航空宇宙局(NASA)の探査機「ドーン」が「オッカトル」「オクソ」と名付けられたクレーターで発見した。オッカトルクレーターは直径約90キロ。明るい部分は幅約10キロ、深さ約0.5キロにわたっている。ドーンがケレスに接近中に初めて撮影され、正体は謎に包まれていた。
研究によると、明るい部分では硫酸マグネシウムなどを含む塩が岩石と氷に取り込まれており、太陽光が当たると水蒸気などとともにもやのように舞い上がり(彗星と同じように)、これが太陽光を反射して光って見えるのだと推測している。硫酸マグネシウムは、豆腐につかう「にがり」や、天然の塩にも含まれている。
ドーンは、太陽光が当たったオッカトルクレーターに立ち上るもやのようなものを撮影している。こうした物質は過去の衝突で内部から地面に現れたと考えられる。オッカトルクレーターは比較的最近になって形成されたものとみられ、こうした物質が今でも残っているのだと考えられている。
また別の研究では、ケレスの土にはアンモニアが多く含まれていることが分かったという。アンモニアは太陽系では海王星以遠で多く見つかっており、ケレスがアステロイドベルトの小惑星とは異なる起源を持つのか、あるいはアンモニアを多く含む遠い天体からケレスにもたらされたのか──など、さらなる謎が浮上している。
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