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Google、量子コンピュータでPCの1億倍高速な解析に成功と発表
GoogleとNASAが共同運営する量子AI研究所が、量子コンピュータ「D-Wave 2X」とシングルコアコンピュータに約1000個の変数の組み合わせ最適化問題を解かせたところ、D-Wave 2Xが1億倍高速だったと発表した。
米Googleは12月8日(現地時間)、同社が米航空宇宙局(NASA)と共同で導入したカナダの量子コンピュータ企業D-Wave Systemsの量子コンピュータ「D-Wave 2X」での問題解析速度が、シングルコアコンピュータの1億倍以上高速だったと発表した。
今回の実験では、「量子ビット」を1000個以上搭載するD-Wave 2Xでの「量子アニーリング」とシングルコアのコンピュータの「シミュレーテッドアニーリング」とで、約1000個の変数の「組み合わせ最適化問題」の解決速度を比較した。
Googleは2013年、NASAと共同でエイムズ研究所に量子コンピュータラボ「Quantum Artificial Intelligence Lab」を立ち上げ、実験を重ねてきた。Googleが取り組んでいるディープラーニングなどの機械学習ではビッグデータを高速に処理するシステムが必要であり、量子コンピュータが実用化できれば研究が飛躍的に前進するだろう。
Googleは、この実験結果は非常に興味深いし有望なものだとしながらも、実用化するまでにはまだ多くの課題を乗り越える必要があるとしている。
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