IBM、量子コンピュータ実現に向けて新たな一歩
米IBMのIBM Researchは2月28日(現地時間)、量子コンピュータ実現に向けた大きな進展があったと発表した。「デコヒーレンス時間」の延長と計算でのエラー削減で新記録を達成したという。
量子コンピュータ(基本的な概念はこちらを参照のこと)は、従来のスーパーコンピュータより飛躍的な計算能力を獲得できるが、主にデコヒーレンス問題によって実現が難しいとされている。量子(電子や光子)の性格上、計算に必要な「量子重ねあい」の状態は外部からの干渉で簡単に破壊されてしまい(この現象をデコヒーレンスと呼ぶ)、維持するのが難しいからだ。量子重ねあいの状態維持時間(=デコヒーレンス時間)が短いと、処理時間がかかる高度な計算はできないことになる。
IBMは「3次元超電導量子ビット」を用いることで、「デコヒーレンス時間」を最長100マイクロ秒まで伸ばすことに成功したという。これは、これまで報告されているデコヒーレンス時間の2~4倍に当たる。実験に使われたのは、幅が約38ミリの容器の空洞に設置したサファイア片に載せられた量子ビット。IBMの研究者らは、将来的にはこうしたシステムを数万の量子ビットにスケールアップできるとみている。
これとは別に、3つの量子を載せたシリコンチップを製作し、量子コンピュータシステムの基本演算である制御NOT演算を実施したところ、95%の成功率を達成できたという。
同社研究者のジョン・ガンベッタ氏はこの成果を紹介する動画で「量子コンピュータの実現にはあと50年かかると言われているが、われわれは10~15年で実現できるだろう」と語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
2
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
3
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
4
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
5
たばこ休憩なき時代の“一服”をどう取るか 温熱と“聞こえない音”で休む、JT子会社のアイマスクを試す
-
6
「楽天ドライブ」に不正アクセス 保存したデータなど1.5万アカウント分が取得・閲覧のおそれ
-
7
Xの「いいね」長押しで1ドル送金 マスク氏が“投げ銭”機能を予告
-
8
B級感がたまらない? 映画「ストリートファイター」の魅力と原作ゲームの歴史、ゲーマーマンガ家が熱弁
-
9
「能動的サイバー防御」きょう開始 警察・自衛隊などが攻撃元サーバを無害化 高市首相も狙いを説明
-
10
ジャック・ドーシー氏率いるBlock、音声だけで学習した全二重音声モデル「Dessa」発表 「人と話しているよう」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR