Alibaba、香港の英字新聞South China Morning Postを買収
中国電子商取引最大手のAlibaba(阿里巴巴集団)が、香港の有力英字紙South China Morning Post(SCMP)を買収すると発表した。中国の客観的な情報を世界の英語読者に届けることが目的としている。
中国電子商取引最大手のAlibaba Group Holding(阿里巴巴集団)は12月11日(現地時間)、香港の英字紙South China Morning Post(SCMP)を買収することで合意に達したと発表した。買収総額などの詳細は公表されていない。
この買収により、Alibabaは自社のデジタル技術でSCMPが電子版の読者を世界規模で拡大することを支援できるとしている。
SCMPは1903年から続く香港の有力紙。1971年に株式公開し、1987年に米News Corp.のルパート・マードック氏が買収して私企業化した後、マレーシアの実業家、ロバート・クオック氏が買収した。
米New York Timesによると、同紙は天安門事件や近年の民主化運動(昨年の「Occupy Central」など)、中国政府要人のスキャンダルなど、本土のメディアが報道できない記事を掲載することで定評があるという。SCMPの元記者はNew York Timesに対し、Alibabaによる買収でSCMPが政治的な記事を自己検閲するようになる恐れがあると語った。
Alibabaは同日公開したSCMPの読者への書簡で、買収完了後も編集の独立性を尊重し、SCMPの中国に関する客観的で洞察のある記事が英語圏の世界で広く読まれるように尽力すると説明している。
同社の馬雲(ジャック・マ)会長は2015年の年次報告書公開に当たって公開した株主向け書簡で、Alibabaのサービスは中国の外からアクセスできないため、海外の株主は同社について理解するために不正確な第三者による情報を参考にしていると現状を説明した。同社は昨年9月、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場した。
Alibabaはこの買収でSCMPの新聞メディアだけでなく、SCMP Groupの雑誌やその電子版(香港版Esquire、Elle、Cosmopolitanなど)、カンファレンス事業、教育事業なども獲得する。
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