「Firefox 44」安定版リリース──タブを閉じてもプッシュ通知が可能に
Mozillaが「Firefox 44」の安定版をリリースした。Webサイトからのプッシュ通知をタブを閉じても表示できるようになり(オプトイン機能)、セキュリティ関連では「最高」3件を含む12件の脆弱性が修正された。
米Mozilla Foundationは1月26日(現地時間)、Webブラウザの安定版アップデートとなる「Firefox 44」をWindows、Mac、Linux、Android向けに公開した。
ユーザー向けの新機能としては、Webサイトのタブを閉じた状態でもそのWebサイトからのプッシュ通知を表示する機能(デスクトップのみ)が追加された。
Webオーナー側が「Push API」と「Notifications API」を使ってプッシュ通知を送っており、ユーザー側が通知を許可した場合に、タブを閉じていてもプッシュ通知が表示される。この機能は米GoogleのChromeブラウザには2015年4月にリリースのバージョン42から備わっている。
Webアプリ版のメーラーやオークションサイトなどで許可しておくと便利だろう。
この機能をサポートするWebサイトを開くと、アドレスバーの左端に下図のような「!」アイコンが表示されるので、これをクリックして通知を許可する。
通知が多くてブロックしたい、というような場合は、[≡]→[オプション]→[コンテンツ](ページ左の上から3つ目のアイコン)→[通知]→[選択]をクリックして表示されるリストから許可を取り消したいURLを選択して[サイトを削除]をクリックすればいい。
この他、HTTPS接続での高い圧縮率を実現する圧縮アルゴリズム「Brotli」を実装したことでページ読み込みが高速化され、H.264をサポートするシステムではH.264が有効になった(サポートしない場合はWebM/VP9が有効になる)。
セキュリティ関連では、HTTPSなどの暗号化通信に使われていた暗号アルゴリズム「RC4」のサポートを中止した。RC4は1987年に登場したストリーム暗号で、Webブラウザなどで広くサポートされてきた。
しかし現代の攻撃では数時間から数日で破られることが実証され、業界団体のInternet Engineering Task Force(IETF)もRC4の使用禁止を勧告。主要ブラウザが対応を表明し、Googleは1月20日に安定版となった「Chrome 48」でRC4のサポートを打ち切っていた。
脆弱性は計12項目が修正された。このうち「安全でないメモリ操作」「WebGLにおけるメモリ割り当て不足によるバッファオーバーフロー」など3項目は、重要度「最高」に区分けされている。
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