「STAP細胞」をめぐる研究不正問題について、論文執筆者の小保方晴子 元理化学研究所研究員が自ら経緯を説明する手記を出版することが明らかになった。タイトルは「あの日」で、1月28日に講談社から発売される。小保方氏が一連の問題についての主張を自ら公表するのは2014年4月の記者会見以来。
「現代ビジネス」に27日に掲載された前書きによると、小保方氏は「私の心は正しくなかったのか。これまでの生き方全部が間違っていたのか。そう自問し、ただただ涙がこぼれた。むせび泣くような体力はもう残っていなかった」と苦悩を告白する一方、「ここまで社会を大きく騒がせたこの出来事に対し、このまま口をつぐみ、世間が忘れていくのを待つことは、さらなる卑怯な逃げであると思い、自分の持つ弱さや未熟さもさらけだして、この本の中に真実を書こうと決めました」と手記の意図を説明している。
STAP細胞問題では、小保方氏らが執筆した論文について研究不正が認定され、理研は既に退職していた小保方氏については「懲戒解雇相当」の処分とした。小保方氏の博士論文についても不正があったとして、早稲田大学は博士号を取り消した。
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