Twitter、ISISなどのテロ関連アカウントを12万5000件以上凍結
サービス上でのテロ助長行為と苦闘するTwitterが、ISIS(イスラム国)関連を含む累計12万5000件以上のテロ関連Twitterアカウントを凍結したと発表した。
米Twitterは2月5日(現地時間)、2015年半ばからだけで累計12万5000件以上のテロ行為を助長するアカウントを凍結してきたと発表した。その多くはISIS(イスラム国)に関連するものという。
同社は昨年4月から、ユーザーからの報告などに基いて、テロ助長行為や嫌がらせを行っているとサポートチームが判定したアカウントを一時的にロックまたは永久凍結している。また、コンテンツフィルター機能を使ってテロ行為のプロパガンダの可能性があるツイートを自動的に検出し、タイムラインへの表示を減らすという対策もとっている。
同社はアカウントをレビューするチームを増強し、コンテンツフィルターも強化したという。
Twitterは昨年12月、「Twitterルール」を改定し「脅迫やテロ行為の助長を含め、暴力行為を行うという脅迫または暴力行為の助長」を行うアカウントは一時的にロックまたは永久凍結するとした。
Twitterのサービスでは、Facebookと異なり、アカウントを匿名で作れ、凍結されてもまた別のアカウントを簡単に作れることから、いじめやテロのプロパガンダに悪用されやすいとみられている。
同社は1月13日、フロリダ州の女性から、夫がテロリストに殺害されたのはTwitterがISISによるテロのプロパガンダを容認したせいであり、テロ支援を禁じた米連邦法に違反するとして提訴された。
米連邦政府は1月8日、国家安全保障当局のメンバーがシリコンバレーの大手IT企業幹部と会合を持ち、政府と協力してオンラインでのテロ行為と戦うよう要請したと発表した。この会合には、Twitterの他、Facebook、Apple、Google、Microsoftなどが参加したという。
Twitterは、「専門家や他社も言うように、インターネット上でテロリスト関連のコンテンツを見つけ出すための“魔法のアルゴリズム”は存在しない。(中略)われわれはテロと戦うためのルールの強化を続け、専門家や関連組織と協力していく」と語った。
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