Facebook、TwitterのドーシーCEOもAppleのバックドア拒否に賛同表明
Appleのティム・クックCEOが、犯罪捜査協力のためにiPhoneのバックドアを提供せよという裁判所命令への拒否を宣言したことに対し、GoogleのピチャイCEOに続いてTwitterのドーシーCEOもApple支持をツイートで表明した。Facebookも企業として賛同の声明を発表した。
「われわれは@tim_cookとAppleの味方だ(そして、クック氏のリーダシップに感謝する)」──。米Twitterのジャック・ドーシーCEOは2月18日(現地時間)、自身のTwitterアカウントでリンク付きでそうツイートした。リンク先は、米Appleのティム・クックCEOが16日に公開した顧客向けの書簡だ。
クック氏の書簡は、テロ事件解決のためにiPhoneのセキュリティ機能の一部を無効化するツールをFBIに提供するよう米連邦裁判所から受けた要請に対し、それを拒否して顧客のプライバシーを守るという決意を語ったものだ。
米Googleのスンダー・ピチャイCEOは17日にクック氏支持の意志をツイートした。
米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは本稿執筆現在、個人的にはこの件に関して何もコメントしていないが、Facebookは同日、米Re/codeをはじめとする複数のメディアに以下のような声明文を発表し、やはりAppleを支持することを表明した。
われわれはテロリズムに反対し、テロの犠牲者の側に立っている。テロ行為を賞賛したり、促進したり、計画する人はわれわれのサービスを利用できない。われわれはまた、国民の安全を守るための警察当局の困難で重要な仕事に感謝してもいる。警察当局から合法的な協力要請があれば、受け入れる。だが、企業のシステムのセキュリティーを弱めるような要請に対しては、断固として立ち向かうつもりだ。これらの(Appleへの)要請は恐ろしい先例を作ることになり、企業が製品をセキュアに保とうとする努力を妨害することになる。
米USA Todayによると、米Microsoftおよび米Yahoo!はこの件についてのコメントを拒否した。
AppleはGoogleやFacebook、Twitterと異なり、ユーザーデータを利用した広告を収入源としていない。同社は以前から個人情報に関する企業としての姿勢を公式サイトで説明しており、「私たちは、セキュリティのために個人のプライバシーを犠牲にしてはならないと考えます」としている。
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