日本では、多くの出版メディアが『朝日新聞用語の手引き』か共同通信社の『記者ハンドブック 新聞用字用語集』(ITmediaはこちらに準拠)を利用して、用語の統一を図っている。英語圏でこれに相当するのが、AP通信の『Associated Press Stylebook』だ。現代における英語の標準的な表記は、この本で決められると言ってもいい。
この『AP Stylebook』2016年版に、大きな変更があった。公式ツイートによると、AP通信は6月1日の2016年版刊行時から、インターネットを小文字の「internet」で表記するという。
英語では原則として、固有名詞を大文字で書き始め、そうでない普通名詞はすべて小文字で表記する。従来、インターネットは「Internet」と固有名詞扱いだったのが、これからは小文字の「internet」で普通名詞扱いになるわけだ。同時に、World Wide Webの略語としての「Web」も、すべて小文字の「web」にするという。
「インターネット」はもともと、企業や組織のコンピュータ・ネットワーク(net)が相互に(inter)接続されたものを意味する普通名詞だ。1960年代のARPANETを原型に発展した現在のインターネットが「the Internet」と呼ばれてきた。相互ネットワークとしてはその他にも、たとえばInternet2がある。
しかしAP通信は、インターネットがあまりに普及しすぎて、固有名詞の域を脱し普通名詞になったと判断したのだろう。日本語の表記が「いんたーねっと」になるまでにはかなりの時間がかかりそうだ。
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