ドローンの光をつないで空間を巨大ディスプレイに――“21世紀の広告”「Sky Magic」始動
LED搭載のドローンが“点”となって編隊飛行し、巨大なディスプレイを作り出すプロジェクト「Sky Magic」を、ネット広告事業を手掛けるマイクロアドが発表した。
LEDを搭載したドローンが“点”となって、巨大なディスプレイを作り、何もない空間に映像を映し出す――ネット広告事業を手掛けるマイクロアドが4月20日、ドローンを用いた新サービス「Sky Magic」を発表した。プロジェクションマッピングやデジタルサイネージを超える広告手法として、渡辺健太郎代表は「空間そのものをモニターに、メディアに変えていく」と意気込む。
市販のドローンを球状のカーボンフレームで覆い、約660個のLEDライトを搭載。複数台がフォーメーションを保ちながら飛行し、巨大なディスプレイを作り出す。舞台照明などの制御に使う通信プロトコル「DMX512」を用い、一般的な音響・照明システムと同期しながら、一連のドローンの光で空間に映像を映し出す。
気流の影響などでドローンが地面に落下しても、周囲を覆うフレームが衝撃を吸収。他のドローンとの位置関係を把握し、フォーメーションに復帰する仕組みも用意する。
プロジェクトのクリエイティブディレクターを務める高城剛さんは、「安全面の課題をクリアできれば、大規模スタジアムで何十台ものドローンを運用することも可能」と説明。台数とLEDの搭載数を無限大に増やしていき、解像度を上げることで、コンサート会場や球場、ファッションショーなどでの活用を見込む。
同社のYouTube公式チャンネルには、富士山を背景に25台のドローンが編隊飛行するデモ動画を公開。津軽三味線の音色に合わせ、「逆さ富士」のフォーメーションなどを披露している。
ドローンの改良を担当した菊川裕也さんは「ドローンを軽量化する一方、十分な数のLEDを搭載しなければならなかった」と、機動力と表現力のバランスの難しさを語る。今後1年以内に、搭載するLED数を1000個に増加し、100機で編隊飛行を目指すと言い、「10万画素ほどになれば、サッカーの実況くらいはできる」と自信を見せる。
高城さんは、ドローンの連携で打ち上げ花火を再現する計画も明らかに。「花火はこの500年間、全く進化していない。通常の花火大会の翌週に、ドローンを使って『21世紀の花火』を打ち上げてもよいのでは」(高城さん)。
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