ニュース
ツタンカーメンの墓の“隠し部屋”、発掘調査に暗雲 「100%の確証が必要」
古代エジプト王・ツタンカーメンの墓に隠し部屋がある可能性をめぐり、エジプト考古省が現時点では発掘調査を行わない方針を示した。
古代エジプト王・ツタンカーメンの墓に隠し部屋がある可能性をめぐり、エジプト考古省は5月8日、現時点では発掘調査を行わない方針を明らかにした。同国のハリド・アナニ考古相は「さらなる技術的・科学的な検証が必要」と話し、「100%の確証がなければ、壁に穴を開けるわけにはいかない」としている。
昨年11月、日本人技術者の渡辺広勝さんが墓をレーダースキャンしたところ、内部に2カ所の空洞を発見した。金属製の物体に加え、人間の遺体と思われる有機物が存在する可能性も浮上。マムドゥフ・アル・ダマティ前考古相が「世紀の大発見につながるかもしれない」と発言し、注目を集めた。
だが、元考古相のザヒ・ハワス氏は「検証が不十分」と指摘し、考古学者やレーダーの専門家による委員会の設立を要請。ダマティ前考古相も「隠し部屋がある可能性は50%」と述べ、再調査の必要性を強調している。
同調査は、古代エジプトの女王・ネフェルティティの墓が、ツタンカーメン王の墓と隣接した部屋にある――という、英考古学者のニコラス・リーブズ氏の学説を受けて実施。ネフェルティティは、エジプト新王国を統治した「伝説的な美女」として知られるが、死後は記録が消し去られた。
関連記事
- ツタンカーメンの墓に“隠し部屋” 伝説の美女・ネフェルティティの墓が有力?
古代エジプト王・ツタンカーメンの墓に隠し部屋がある可能性が判明した。 - アディダスを履いた1500年前のミイラ? 「タイムトラベラー」疑う声も
アディダスのスニーカーのような靴を履いたミイラがモンゴルの奥地で見つかり、「タイムトラベラーでは?」と波紋を呼んでいる。 - ハンニバル将軍の“アルプス越え”ルートが判明 馬糞の痕跡が決め手に
紀元前3世紀、カルタゴのハンニバル将軍がイタリアに侵攻した時のルートが判明した。 - 古生代の珍生物「タリーモンスター」、半世紀の“謎”に終止符 実はヤツメウナギの仲間
古生代の謎の生物「タリーモンスター」の復元図が公開。半世紀以上、無脊椎動物とされてきたが、最新の研究で、脊椎動物の仲間だと分かったという。 - カンブリア紀の珍生物「ハルキゲニア」、また復元図が書き換えられる 実は前後も逆だった
「カンブリア紀の怪物」の中でも最も珍妙な「ハルキゲニア」の復元図がまた書き換えられた。最初に登場した時は上下逆さまだったが、最新の研究で前後も逆だったことが分かったという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.