紀元前3世紀、カルタゴのハンニバル将軍が“アルプス越え”したルートを、北アイルランドのクイーンズ大学ベルファストなどの研究チームが突き止めた。2000年以上にわたる歴史家の論争に終止符が打たれるかもしれない。
ハンニバルは、第2次ポエニ戦争でローマ軍と激突したカルタゴ軍の将軍。紀元前218年、約1万頭の軍馬、37頭の象を率いてアルプス山脈を越え、イタリア半島に侵攻した逸話は、古代ローマ史上最大の軍事作戦と言われる。しかし、ハンニバル軍がたどったルートの詳細は不明で、歴史家の間でも意見が分かれていた。
研究チームは、フランスとイタリアの国境付近にあるトラベルセッテ峠を調査し、軍馬の糞と思われる堆積物を大量に発見した。堆積物を詳しく調べたところ、ハンニバルが侵攻した時期に生きていたクロストリジウム属の微生物を確認し、ハンニバル軍が通過した裏付けと結論付けた。
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