時速1100キロ列車構想「Hyperloop」に向けた野外実験成功(動画あり)
イーロン・マスク氏が2013年に打ち出した高速列車構想「Hyperloop」の実現に向けた推進システムの実験がネバダ州の砂漠で行われ、0-100km/h加速1.1秒で走るシステムの動画がYouTubeで公開された。
米新興企業Hyperloop One(旧Hyperloop Technologies)は5月11日(現地時間)、イーロン・マスク氏が構想する超高速旅客車「Hyperloop」実現に向けた「野外推進システムテスト」を米ネバダ州ノースラスベガスの砂漠で実施した。
Hyperloopは、米TeslaのマスクCEOが2013年に打ち出した高速列車構想。加圧チューブ内を磁力で浮上させた車両を走行させるというもので、時速700マイル(約1120キロ)での走行が可能としている。このシステムが実現すれば、現在は車で約6時間かかるサンフランシスコからロサンゼルス間を35分で移動できるという。
この構想については、Hyperloop Oneを含む複数の企業が取り組んでいる。
Hyperloop Oneによる今回の実験はHyperloop全体ではなく、チューブ内を走らせることになる磁力で浮上する車両を野外で走らせるものだった。米Engadgetによると、Hyperloop Oneはこの推進システムの0-100km/h加速は1.1秒で、時速640キロまでの速度を出せると説明した。
Hyperloop Oneは同日、社名の変更と、世界の交通機関や設計企業、トンネル工事企業などとの提携も発表した。米AECOMとArcturan Sustainable Cargoとの提携では、ロングビーチとロサンゼルスを結ぶ貨物輸送ルートを開発する計画という。
具体的なサービスの実現ロードマップはまだ発表されていない。
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