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オオムギの発芽を制御するメカニズム、岡山大が解明か ビール醸造に適した品種開発へ

岡山大学が、オオムギの発芽のタイミングを調整する遺伝子の配列を特定。休眠をコントロールするメカニズムを世界で初めて解明したという。

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 岡山大学は5月18日、オオムギの発芽のタイミングを決める遺伝子の配列を特定し、休眠を制御するメカニズムを世界で初めて解明したと発表した。ビールなどの麦芽醸造に適した品種の開発につながるという。

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 同大学は約50年前から研究を始め、休眠に関わる複数の遺伝子を特定していたが、構造や機能は不明確だった。研究チームは、その遺伝子の一種「Qsd1」を解析。Qsd1が発芽を妨げる酵素をコントロールし、休眠の長さを調節している可能性が分かったという。

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 オオムギは、地域別に見ると休眠の長さに差があり、ビールやウイスキーの醸造には、休眠が短く、一斉に発芽する品種が適している。日本や北欧など収穫期に雨の多い地域では、休眠が短い品種で穂についたまま芽が出る「穂発芽」が発生し、収穫減や品質低下などの悪影響をもたらしている。同大学は、休眠の長さを調節できれば、穂発芽を防ぎ、麦芽醸造に適した品種開発が進むとしている。

 成果は「Nature Communications」電子版に、英国時間18日午前10時に掲載された。

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