Facebook、「組織的な政治的偏向の証拠はなかった」がガイドラインやポリシーを改善
Facebookが、「Trending Topics」に政治的偏向があると指摘された件で、詳細な内部調査の結果、組織的な偏向を示す証拠はなかったが、「担当者個人による不適切な行動や、故意ではない偏向が生じた可能性までは完全に排除できない」としてガイドラインおよびトピック選択方法を改善したと発表した。
米Facebookは5月23日(現地時間)、米上院通商・科学・交通委員会のジョン・スーン委員長(共和党・サウスダコタ州選出)からの「Trending Topics」についての説明要求に対する回答書簡(PDF)を公開した。
詳細な調査の結果、懸念されていたTrending Topicsの政治的偏向はなかったとしている。
同社の法務顧問、コリン・ストレッチ氏は同日、自身のFacebookで「先週スーン議員と会って現状を説明した。この書簡はそのフォローアップだ。(中略)われわれが創りだしたプラットフォームとコミュニティーを誇りに思う。Facebookが誰もが自分の考えを披露するプラットフォームであり続けることは、われわれにとって重要だ」と語った。
米Gizmodoが9日、匿名の元Facebook従業員の話として、「Facebookの従業員はよく、Trending Topicsのリストから保守系の政治記事を排除している」との発言を報じたことをきっかけにFacebookは批判にさらされている。Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは12日、徹底調査を約束した。
調査では、退職者や業務委託者も含むTrending Topicsの担当者らと面談し、ガイドラインや担当者のトレーニング内容を再検討し、第三者とも話し合ったという。
その結果、Trending Topicsで表示するコンテンツの選択方法に、組織的な政治的偏向を示す証拠はなかったという。また、表示されたコンテンツの保守系とリベラル系の記事の割合は事実上同率だったともしている。
だが、「今回の調査では、担当者個人による不適切な行動や、ガイドラインやポリシーの実行に当たって故意ではない偏向が生じた可能性までは完全に排除できない」として、以下のような改善を行ったという。
- ガイドラインの用語の修正(「Blacklisting(ブラックリスト化)」→「Revisit(再訪)」、「Injection(挿入)」→「Topic Correction(トピック補正)」、「Boosting(強化)」→「Topic Prominence(トピックの突出)」など)
- 担当者のトレーニングプログラムの刷新
- 担当チームの監視強化
- コンテンツの重要性を判断するために使っていたURLリストの廃止
- ヘルプセンターでの情報提供の強化
スーン議員はこれを受け、「Facebookが問題を正そうとする努力を評価する」という声明を発表した。
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