IBM、機械学習採用のビジネス向け超ピンポイント気象予測・対策支援サービス「Deep Thunder」発表
IBM傘下の気象企業The Weather Companyは、320メートルの狭さの正確な気象予報を提供するビジネス向けサービス「Deep Thunder」を発表した。Weather Companyの膨大なデータを機械学習で解析し、気候がビジネスに与える影響についても予測する。
米IBM傘下の気象企業The Weather Companyは6月15日(現地時間)、ビジネス向けの“ハイパーローカル”(超地域密着)な気象予測サービス「Deep Thunder」を発表した。IBMの研究部門、IBM Researchが構築したピンポイントで正確な予測モデルとWeather Companyのグローバルな予測モデルを組み合わせたもので、Weather Companyが保持する膨大な気象データで機械学習を鍛えることで、企業が事業への天候の影響を予測することを支援する。
IBMは今年1月にWeather Companyを買収した際、Weather Companyの動的なクラウドデータプラットフォームをIBMのデータセンターで運用し、IBMのデータサービスとWatson IoT事業の技術的なバックボーンとして機能させるとしていた。Deep Thunderはその一環になる。
IBM Researchのピンポイント気象予想は約320メートル〜2キロの狭い範囲の気象について、向こう36時間の正確な予想が可能という。
Deep Thunderは、任意の地域の気象予想に加え、気温や天候が事業に与える様々な影響も予測する。例えば、小売業向けにはどのような商品が(気象の影響で)売れるようになるかを、農家には農作物の最適な収穫時期などを、保険会社には予測される災害を、電力会社には台風により損傷する可能性のある電線の位置と修復に必要な人員数などを提供する。
IBMは1月、日本でもweather.comを展開すると発表している。
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