TwitterでシェアされるURLの59%はクリックされない──コロンビア大学とINRIAによる研究
人は記事を読むよりもシェアすることを好み、記事のまとめやまとめのまとめに基づいて自分の意見を形成すると、研究者は指摘する。
Twitterでシェアされるメディア記事のURLの59%はクリックされない──。米コロンビア大学と仏国立情報学自動制御研究所(INRIA)は6月16日(現地時間)、このような研究結果を発表した。
これは、タイムライン上に表示される記事へのリンク付きツイートを、自分でリンク先をクリックして読まずにそのままリツイートするユーザーが多いことを示している。
「Social Clicks: What and Who Gets Read on Twitter?」と題するこの研究論文は、米計算機学会(ACM)主催のカンファレンスで発表された。
この研究は、2015年の夏の1カ月間にツイートされた、5つのメディア(CNN、The New York Times、The Huffington Post、BBC、Fox News)の記事のBit.lyによる短縮URLを含むツイートデータと、それらのURLのBit.lyのログを基に行われた。
論文の共同執筆者であるINRIAの博士研究員、アルノー・ルグー氏は声明文で「人々は記事を読むよりもシェアしたいようだ。これは、現在の情報消費の典型だ。人はまとめ、あるいはまとめのまとめに基づいて自分の意見を形成し、深掘りしようとしない」と語った。
この研究によると、記事のタイトル下などに表示されているTwitterのシェア件数は、記事の注目度の指標の1つにはなるが実質的に読まれているかどうかの参考にはならないことになる。
また、メディア自身ではなく、一般ユーザーによる記事URLのツイートが予想以上に重要であることも明らかになった。メディアによるURLはツイート後平均30分でTwitter上から消えるが、一般ユーザーがツイートするURLは数日後にクリックされることがあり、クリックされた記事URLの60.66%はこうしたユーザーによるものという。
この論文はINRIAのWebサイトで公開されている。
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