「撮りたい」の一瞬を逃さない ウインクで世界を切り取るウェアラブルカメラ「Blincam」(3/3 ページ)
撮りたい! の瞬間を逃さない――ウインクで視界を撮影するウェアラブルカメラ「Blincam」。日本発のスタートアップが開発する“ありそうでなかった”IoT製品として、国外のイベントでも話題を集めている。
「スマホでできるじゃん」の先にある“気持ちいい”IoT
創業1年未満ながら、プロトタイプを手にアジアやヨーロッパのイベントや展示会にも参加し、国外に向けても積極的にアピールする。Webサイトやアプリの成熟した市場に比べ、IoT関連は大手もスタートアップもさまざまな機器を開発・提案している段階だ。市場として注目も高く、海外メディアや来場者からの反応も上々だという。
国内向けには、7月14日にクラウドファンディングサイト「Makuake」で先行販売を始める予定だ。製品出荷は年末〜年明けを目指す。通常定価は2万円前後で、各種早期割引も用意するという。
その後、ウェアラブル端末の文化が比較的先行しており、プライバシー面でもハードルが低めな米国での展開に着手する予定。将来的には欧州や中国など各国でも、パートナーを見つけるなどして販売を広げていきたいという。
まずは現状のプロダクトの開発・販売を軌道に乗せることを目的に掲げつつ、今後の方針としてはさらなる小型・軽量化、眼鏡なしでも付けられるタイプの開発などを目指す。ウインクを感知する独自センサーの他企業への提供も視野に入れる。
要望の多い動画対応も検討するが「視界を丸ごと録画することが目的ではなく、瞬間を切り取るのがコンセプト。シャッターを押した前後10秒を収めるなど、Blincamならではの動画活用を考えていければ」(高瀬さん)。
IoTの意義は「センサーや通信環境を使って、1つ1つのアクションをもっと気持ちよく、簡単にできること」と高瀬さんは考えている。
「写真の撮影を含め、IoT機器が実現する行為のそれぞれは、結局スマホでできること。デバイスがこれだけ高機能に進化している今、ネガティブな意味ではなくてそれはそれで正しい。その前提の上で一部の機能をシンプルに取り出し、もっと気持ちよく、簡単に、感覚的な使い方を追求できるのがIoTの役割だと思う。だからこそ、“気持ちよさ”に徹底的にこだわっていくしかない」(高瀬さん)
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