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「京」と高精細レーダーで天気予報革命 30分後のゲリラ豪雨を予測
理化学研究所などの研究チームが、スーパーコンピュータ「京」を使い、30分後までのゲリラ豪雨を予測する手法を開発。
理化学研究所(理研)や大阪大学などの研究チームは8月9日、スーパーコンピュータ「京」を使い、30分後までのゲリラ豪雨を予測する手法を開発したと発表した。レーダーが100メートルの解像度で30秒ごとに集めた膨大なデータを処理し、高い精度のシミュレーションによって「天気予報に革命をもたらす」という。
現在の気象庁では、全国を2キロメートルの解像度で1時間ごとに観測したデータを取り込み、天気をシミュレーションしている。だが、ゲリラ豪雨の場合は、原因となる積乱雲が数分間で急激に発生するため、従来の更新間隔や解像度では予測が難しかった。
研究グループは、30秒ごとに解像度が100メートルの高精細な観測データを収集できる「フェーズドアレイ気象レーダー」を採用。集めた膨大なデータを、理研のスーパーコンピュータ「京」で解析し、30分後までのゲリラ豪雨の動きを再現できたという。
同技術によって、高速・高精細な天気予報が可能になるという。現時点では、シミュレーションの作業に10分ほどかかるが、データ転送や計算を高速化し、よりリアルタイムに近い予測を目指す。研究成果は米科学雑誌「Bulletin of the American Meteorological Society」(8月号)に掲載される予定。
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