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シロアリは“同性ペア”でも巣を作る――なぜ? 京大が研究
繁殖できないのに、シロアリは雄同士でペアになって巣を作る場合があると、京都大学の研究グループが発表。その理由は。
シロアリは雄同士でペアを組んで巣を作ることがある――京都大学が8月18日、そんなシロアリの習性を発見したと発表した。雄と雌を間違えたわけではなく、同性同士で繁殖するわけでもない。なぜ?
日本全土に生息するヤマトシロアリは、繁殖期になると異性の個体を求めて飛び立ち、相手を見つけると一夫一妻のペアを組んで巣を作る習性がある。だが、研究グループによると、意図的に雄同士がペアを組んで巣を作る場合があるという。
研究グループは、単独の雄、雄同士のペア、雄と雌のペアが巣を作るまでの時間を比較。単独の雄はほとんど巣を作らなかったが、雄同士のペアと異性同士のペアは同程度のスピードで巣を作り上げた。雄同士のペアは、単独の雄と比べると、外敵に襲われにくいため、生存率を上げるために協力している可能性があるという。
また、雄同士のペアの近くに異性同士のペアが作った巣があると、雄同士のペアが侵入。異性同士のペアの雄を殺し、巣を乗っ取ることが分かった。その場合、雌と繁殖できるのは、雄同士のペアの片方の雄だけだと、遺伝子解析から判明したという。
シロアリが同性ペアを組むのは、繁殖の機会があるまで生存率を上げる「次善の策」と研究グループは結論付けている。研究成果は科学誌「Animal Behavior」に8月9日付で掲載された。
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