Intel、セキュリティ部門をスピンアウト 社名はまた「McAfee」に
Intelが2011年に買収したMcAfee(現在は「Intel Security」)の株式の過半を投資会社に売却し、独立したセキュリティ企業「McAfee」としてスピンアウトする。
米Intelは9月7日(現地時間)、セキュリティ事業部門の「Intel Security」をスピンアウトさせ、独立したサイバーセキュリティ企業「McAfee」とすると発表した。
米投資会社TPGに過半数株(51%)を売却する。Intelは残り49%を保有する。Intel Securityの価値は債務を含めて約42億ドルと評価され、Intelは株式の売却で31億ドルの現金を得る。TPGはMcAfeeに、さらに11億ドル投資する。
McAfeeのCEOには、現在Intel Securityのジェネラルマネジャーを務めるクリス・ヤング氏が就任する見込みだ。
Intelのブライアン・クルザニッチCEOは発表文で「セキュリティは今後もIntelにとって重要であり、クラウドからIoTまで、われわれの製品に業界をリードするセキュリティおよびプライバシーを統合していく」と語った。
Intelは2011年、事業拡大の目的でMcAfeeを買収し、2014年にIntel Securityというブランド名に変更した(その後も製品にはMcAfeeという名称を残している)。
Intelは4月、PC市場が減退する中、ビジネスをPCからクラウドやIoT(モノのインターネット)にシフトするとして、世界で従業員の約11%に当たる1万2000人を削減すると発表した。
上半期のセキュリティ事業部門の売上高は11%増と比較的好調だったが、同部門を手離すことでクラウドやIoTへのシフトは明確になるだろう。
同社は8月にはディープラーニングのNervanaの、9月にはコンピュータビジョンのMovidiusの買収を発表している。
なお、Intelは現在、McAfee創業者のジョン・マカフィー氏からMcAfeeという名称の使用をめぐって提訴されている。
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