Surface Studioの謎「Dialはどうやって吸着してるのか」に公式回答
磁石でディスプレイにくっついているという報道もされているが、担当者によればそうではないようだ。
米カリフォルニア州サンディエゴで開催されたAdobe Systemsユーザーのカンファレンス「Adobe MAX」会場に展示されていたMicrosoftのSurface Studioについて、参加者である林信行さんとドリキンの取材陣2人がMicrosoftの担当者に詳しい話を聞いた動画がYouTubeで公開された。初出の情報がいくつあるので動画からピックアップして紹介しよう。
Surface Studioディスプレイ部分のベゼルは狭く、厚みも指一本分くらい。4500×3000ピクセル28インチ液晶は従来のSurface同様に、ペンでタッチしたときの視差が少ない印象。Surface Penの感圧は2-in-1タイプと同様の1024段階。「ゼロ・グラビティ」を自称するディスプレイのティルト機能はたしかにワンフィンガーでなめらかに動く。
背面はiMacのようにすっきりしており、ノートPCよりも小さな底面部にポートとPC本体が収納されている。USB-Cではなく、通常のUSBが4ポートとMini Displayport、そして有線LANを備える。また、付属のキーボードはデザインがまるでAppleのMagic Keyboardなのだが剛性感があり、打鍵しやすそうだった。
マグネットじゃない?
次にSurface Dial。Microsoftの発表時にはAdobe CC対応についての情報がなく、発表イベントでも言及されていなかっただけに、Adobe MAXに出展するのであればそこで情報解禁されるのではという期待があった。
Surface Studio上でPhotoshopを試しているときにSurface Dialを試したいと言うと、担当者に「よかったら別のペイントソフトに切り替えましょう」と提案される。まだ外部に出せるほどは実装が進んでいない模様だ。
現時点でSurface StudioのAdobe CCへの対応はPhotoshopなど実験的なものだが、「Adobeとの関係も良好で、フルサポートを目指す」と担当者は語っている。
Dial上部を長押ししてメニューを表示させ、その中から履歴を選ぶと、ダイヤルでアンドゥ、リドゥを連続して行うことができる。ズームイン、ズームアウトや回転もダイヤル操作でできる(もちろん画面タッチのピンチ操作でもできるのだが)。動画再生時にボリューム操作やスキップなどにも対応している。ほかのアプリについての対応や、自分でプログラミングできるようにしてくれという要望はよく受けているという。
Microsoftのライアン・キャンベル氏によれば、対応アプリではブラシの直径、透明度、筆の丸み、角度といったパラメータを順番にリアルタイムで変化させることが可能。また、Surface Dialが1個であっても、画面上には複数のダイヤルを持つことができ、もう1つのダイヤルではカラーに関する変更をリアルタイムで実行できる。画面上にあるダイヤルは、その上にSurface Dialを置くと半径が拡大する仕組みだが、画面を急角度にしてダイヤルを使うこともあるので、そういうときにはSurface Dialはデスク上に置いて作業することもできるという。
ちなみに、Surface Dialはだいたい60度以上の角度になるとずり落ちてしまう。これは磁石で吸着してるのかと質問すると、意外なことに、底面のラバー素材による摩擦で位置を保持しているのだという。
Surface Studio以外のデバイスでSurface Dialを使えるかという質問には、NOとの回答。少なくともローンチ時にはStudioオンリーになりそうだ。100ドルと安いBluetooth LEデバイスなのは魅力的なのだが……。どうしてもこの種のデバイスがほしい場合には、Griffinが昔から出しているPowerMateがあるが、これはMacのみに対応。現時点でSurface DialはSurface ProやSurface Bookにも未対応。Surface Studioの魅力を高める役割は果たしそうだがちょっと残念だ。
関連記事
- Microsoftはなぜ「Surface Studio」など異色製品を作れるようになったのか――開発者が明かす舞台裏
「Microsoft Tech Summit」に、Surfaceシリーズの設計・開発担当者のアンドリュー・ヒル氏が登場。同社が続々と発表している新製品の開発模様を明かした。 - ジョブズのタッチスクリーンPC批判にMSとApple、6年後の回答
2010年10月、「Back To The Mac」を銘打った製品発表イベントで、スティーブ・ジョブズは「タッチスクリーンは垂直の画面には適さない」と言った。6年後、MicrosoftとAppleは製品の形でその回答を用意した。 - 「Surface Book」の上位モデル発表 グラフィックス性能2倍でバッテリー16時間
Microsoftが、ハイブリッドノートPC「Surface Book」の上位機種「Surface Book with Performance Base」を11月に発売する。プロセッサはi7でGPUやバッテリーを強化しており、価格帯はSurface Bookより約1000ドル高い。 - 「Surface Studio」発表 Microsoft初の液晶一体型デスクトップ
Microsoftが液晶一体型デスクトップPC「Surface Studio」を発表した。 - Microsoft、10月26日に「Windows 10」イベント開催へ “iMac対抗Surface”も?
Microsoftが10月26日にWindows 10に関連するイベントを開催すると発表した。うわさのオールインワン型Surface端末や次期アップデート「Redstone 2(コードネーム)」が発表されるとみられる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.