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過去問のPDF化は「著作権法違反の恐れ」 指摘受け、旺文社が全データを削除 紙のまま保管へ

過去問のPDF化が著作権法違反に当たる可能性があったとし、旺文社がの全データを削除した。今後はPDF化せず、紙のまま保管するという。

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 高校や大学から提供を受けた過去の入試問題をPDF化して保存していたことが著作権法違反に当たる可能性があったとし、旺文社は10月、過去問のPDFデータを全て削除した。今後はPDF化せず、紙のまま保管するという。

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5月のニュースリリースより

 同社は、大学や高校500校前後から毎年、入試問題を提供してもらい、参考書や問題集を出版している。

 紙の劣化への備えと保管スペース削減のため、2007年度からは順次、紙の問題を破棄し、PDF化してきた。PDFでの保管は「紙の代替物」という認識で、著作権者の許諾は得ていなかったという。

 だが、原本を破棄してPDF化する「媒体変換」が、著作権法上の複製権に抵触する恐れがあると外部から指摘を受け、今年5月、PDFデータをすべて削除すると発表していた。

 PDFデータは10月に削除済み。原本も破棄しているため、現在、対象の過去問は保管していないという。今後もPDF化は行わず、紙のまま保管するという。

 同社は「現行の法制度が続く限り、著作権者の許諾なく入試問題をPDF保管することはない」とし、今後も法令順守を徹底するとしている。

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