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Qualcommを米FTCが独禁法で提訴

米独禁法当局の連邦取引委員会(FTC)が、Qualcommを独禁法違反の疑いで提訴した。ベースバンドプロセッサにおける支配的地位を悪用し、端末メーカーに不公正なライセンス供与を強制しているという。また、Appleに対してベースバンドプロセッサの独占供給の報奨金を支払っていたとも。

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 米連邦取引委員会(FTC)は1月17日(現地時間)、独占禁止法違反の疑いがあるとしてスマートフォン向け半導体大手の米Qualcommを提訴したと発表した。

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訴状

 FTCは、スマートフォンでの通信に欠かせない「ベースバンドプロセッサ」の支配的サプライヤーであるという立場を悪用し、端末メーカーに対して反競争的な供給と不公正なライセンス供与を強いることで、競合他社を弱体化させていると主張する。

 Qualcommは携帯通信に必須なライセンスを保有しており、これらはFair(公正)でReasonable(合理的)な条件でNon-Discriminatory(非差別的)に提供すべき、いわゆる「FRAND特許」であるにもかかわらず、Qualcommはこれらのライセンスを供与する代わりにベースバンドプロセッサのロイヤリティを高額にしているという。

 また、同社はこれらのFRAND特許を、競合するベースバンドプロセッサメーカーに供与することを拒否しているという。

 さらに、Qualcommは米Appleに対し、同社のベースバンドプロセッサだけを採用することを条件に、2011年から2016年まで、報奨金を支払っていた。

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「iPhone 7 Plus」にもQualcommのプロセッサが採用されている(iFixitより)

 Qualcommは同日、米Barron'sなどに対し「FTCの提訴は、法理論の欠陥、経済的支援の欠如、モバイル技術業界に関する大きな誤解に基いている」という声明文を送った。

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