大きいお友だちも歓喜! Arduinoを載せたプログラミング学習キット「KOOV」、ソニーが発売
「秋葉原のコアなファンが拡張可能なエコシステムを作っていきたい」――と担当者。
ソニー・グローバルエデュケーションは2月1日、プログラミング学習キット「KOOV」(クーブ)を18日に発売すると発表した。ブロックや電子パーツを組み立て、専用アプリケーションでプログラムを組むと、プログラム通りに電子パーツが動いてオリジナルのロボットが作れる。ソニーストアや家電量販店のWebサイトで購入でき、2月1日から先行予約を受け付けている。
販売するのは、シンプルな「KOOV スターターキット」(電子パーツ16個・172ピース/税別3万6880円)と、全種類のパーツがそろった「KOOV アドバンスキット」(電子パーツ24個・302ピース/税別4万9880円)に加え、追加購入用の「拡張パーツセット」(電子パーツ8個・130ピース/税別2万1880円)。電子パーツにはDCモーターやサーボモーター、LED、ブザー、加速度センサー、光センサー、赤外線フォトリフレクタセンサー、スイッチセンサーがあり、音の出る楽器や実際に走行する車などを作れる。
対象年齢は8〜14歳で、経験がなくても組み立て可能。「ロボットレシピ」と呼ばれる付属の3D組み立てガイドを通じ、ブロックや電子パーツの組み立て方を、短いアニメーションで分かりやすく教えてくれるという。ロボットレシピを見て作れるようになったら、学んだことをクイズなどで復習する「学習コース」、オリジナル作品を生み出す「自由制作」へと段階を踏んでレベルアップできる仕掛けになっている。
プログラム開発のためのアプリケーションは、ビジュアルプログラミングツール「Scratch」(スクラッチ)のような見た目で、パズルを組み合わせて行うというもの。間違えて実行すると解説画面に遷移する。
また、ブロックを組み立てながらプログラミングを習得する教材に「レゴ マインドストーム」というものがあるが、KOOVとの違いは「ブロック」。レゴは多くのブロックの形が用意されているが、KOOVのパーツは7種類しかなくカラーも7色のみ。担当者によれば、「パーツの種類が少ない分、その少ないパーツでどのようなものが作れるかという想像力を養いたい」といった狙いがあるようだ。
また「オープン性」もKOOVの特徴。コアとなる部分にはマイコンの「Arduino」を用いており、2.54mmピッチのケーブルに対応している。担当者は「秋葉原のコアなファンが拡張可能な、オープンなエコシステムを作っていきたい」と話しており、今後「大きいお友だち用(上級編)のワークショップも企画予定」とのこと。
ロゴは、デジタルの「0」「1」と記号「<」「>」の組み合わせでできていて、「原始的なものから創造物を生み出す」というメッセージが込められている。さらに「Key」と「Value」が無限に組み合わせられるという思いを込め、それらの頭文字である「K」と「V」の間に「O」を2つ入れ「∞」(無限大)が表現されている。
KOOVのコンセプトは2016年3月に発表。もともと16年夏に商品化予定だったが、製造上の問題、製造工場の変更、アプリケーションの作り込みなど開発の遅れにより今になってしまったと担当者は話す。
今後は、KOOV上で作ったアプリのソースコードを公開したり、レシピの公開ができる場所の提供を検討しているほか、中国のソニーストアでの販売(2月中)も決まっている。
(太田智美)
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