Alphabetの自動運転企業Waymo、競合するUberとその傘下のOttoを特許侵害で提訴
Google自動運転プロジェクトのスピンオフ企業Waymoが、元従業員らが立ち上げ、Uberに買収された自動運転トラック企業OttoとUberを、営業秘密保護法違反および特許侵害で提訴した。OttoのCEOはWaymo退社直前に大量の機密情報を会社からダウンロードしていた。
米Googleの親会社Alphabet傘下の自動運転技術企業Waymoは2月23日(現地時間)米Uber傘下の競合企業Ottoを、営業秘密保護法違反および特許侵害で提訴したと発表した。同日付のカリフォルニア州北部地区連邦地裁への訴状を公開した。
Waymoは、Googleが2010年に立ち上げた自動運転車プロジェクトが2016年12月にスピンオフした企業。一方のOttoは、CEOのアントニー・レヴァンドウスキ氏をはじめ多数の元Googleの自動運転車プロジェクトのメンバーが2016年1月に立ち上げた、自動運転技術を手掛ける非公開企業。8月にUberが買収した。
Waymoによると、Ottoが自社開発だとしている自動運転向けセンサー「LiDAR(Light Detection and Ranging)」がWaymoのものと酷似しているという。
調査したところ、レヴァンドウスキ氏は退社の6週間前に、LiDARとその基板の設計図を含む1万4000件以上の機密資料をWaymoのシステムからダウンロードしていたことが明らかになった。
レヴァンドウスキ氏以外の、現在OttoおよびUberで働いている元従業員もサプライヤーリストや製造方法なとに関する技術情報を大量にダウンロードしていた。
Waymoは、こうした行為はWaymoの営業機密や知的財産を盗む計画の一部だと確信しているという。
親会社のAlphabetは長年、Uberと多方面にわたって協力してきていることもあり、提訴の決断は簡単ではなかったという。それでも自社独自技術を守るために他の選択肢はなかったとWaymoは説明した。
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