ニュース
金星探査機「あかつき」、カメラ2台の観測休止 制御機器に不具合
金星探査機「あかつき」に搭載された全5台のカメラのうち、近赤外線で金星大気を観測するカメラ2台が利用休止に。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月3日、金星探査機「あかつき」に搭載されたカメラ5台のうち、近赤外線で雲の動きなどを捉える2台の利用を休止すると発表した。カメラの制御機器に異常が発生したためという。正常稼働している他の3台(中間赤外線カメラ、紫外イメージャ、雷・大気光カメラ)は利用を継続する。
トラブルが生じたのは、近赤外線に対応する「1μmカメラ」(IR1)と「2μmカメラ」(IR2)。それぞれ金星を覆う雲の下や地表付近を透視でき、雲の動きや地表面の様子などを調べるのに使われている。
JAXAによれば、16年12月9日にカメラ2台の制御機器が示す電流値が不安定になり、10日にはスイッチが入らなくなったという。原因は不明だが、10年の打ち上げから約7年が経ち、想定していた設計寿命(約4年半)を超え、機器が劣化した可能性があるという。
研究チームは、カメラ復旧に向けた検討を行い、定期的に両カメラのスイッチが入るかどうかをテストする予定。
関連記事
- 探査機「あかつき」が見つけた“金星の弓模様”、立教大などメカニズム解明
金星探査機「あかつき」が2015年に観測した弓状の巨大模様の発生メカニズムを、立教大などの研究グループが解明した。 - 「あかつき」がとらえた雲の写真に「なんじゃこりゃ」 金星軌道投入に成功、「世界の仲間入り」
「あかつきは金星の衛星になりました」――中村プロマネはこう宣言した。あかつきが撮影した金星の雲の画像を見て、「なんじゃこりゃ」と驚いたという。 - 「あかつき」軌道修正に成功 観測期間を2000日間に延長
金星探査機「あかつき」が4日に実施した軌道修正が成功したことが分かった。 - 「あかつき」から金星の画像が届く 軌道投入成功後、初の撮影
金星周回軌道への投入に成功した探査機「あかつき」が、投入成功後初めて撮影した金星の写真が公開された。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.