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未完の小説「続き」を公募 内田康夫さん休筆 「眠っている才能、後押しできれば」
脳梗塞の後遺症で執筆が難しくなったとし、作家の内田康夫さんが、浅見光彦シリーズ最新作「孤道」の続きを書いてくれる作家を公募している。
「浅見光彦シリーズ」で知られる作家の内田康夫さん(82)が、脳梗塞の後遺症で執筆が難しくなったとし、未完の小説「孤道」の続きを書いてくれる作家を公募している。
「孤道」は毎日新聞に2014年12月〜15年8月に連載していた小説で、ルポライター・浅見光彦が主人公の人気シリーズ最新作。内田さんが15年夏、脳梗塞に倒れて以降、断筆状態になっており、未完のまま5月12日に単行本が出版される。
特設サイトに掲載された内田さんからのメッセージによると、内田さんは脳梗塞の後遺症で左半身にマヒが残り、リハビリに励んだが、「小説を書き続けることが難しくなった」という。
小説をあきらめたわけではなく「いずれは……と強い思いは勿論残っている」ものの、「『孤道』を発表したい、しかし今の僕には……と思いついたのが、未だ世に出られずにいる才能ある方に完結させてもらうということ」だったという。
内田さん自身、自費出版した小説が評論家の目にとまったことがデビューのきっかけになったこともあり、「世に眠っている才能の後押しができれば……」と考えているという。
400字詰め原稿用紙換算350枚〜500枚以内の未発表の作品を、郵送するかWebフォームへの投稿で募集する。応募受付は5月12日から18年4月末日まで。受賞作は18年秋に発表する。優秀賞に選ばれた作品は、講談社文庫から出版し、著者印税を配分する。
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