ハッカー集団がAppleに身代金10万ドル要求、ユーザーの端末をリセットすると脅迫
Motherboardによると、ハッカー集団はAppleが要求に応じなければ4月7日までに一定数のiCloudアカウントをリセットし、被害者のiPhoneなどの端末を遠隔操作すると脅している。
ハッカー集団がAppleユーザーのiCloudなどのアカウント情報を大量に入手したと主張してAppleを脅し、情報の保全と引き換えに身代金を要求しているという。米ニュースサイトのMotherboardが3月21日付で伝えた。
それによると、「Turkish Crime Family」と名乗るハッカー集団がAppleに対し、ビットコインかEthereumで7万5000ドル、またはiTunesカード10万ドル分を要求。Appleが要求に応じなければ、4月7日までに一定数のiCloudアカウントをリセットして被害者のiPhoneなどの端末を遠隔操作すると脅迫した。
同集団は、「@icloud」「@me」などのドメインを使ったAppleユーザーの電子メールアカウント3億件以上にアクセスできると主張しているが、この件数に関する主張は一貫していないとMotherboardは伝えている。
盗んだユーザーのiCloudアカウントに同集団がログインしたと主張するYouTubeのビデオも公開され、遠隔操作でデバイスに保存された情報を消去できる様子などを見せつけているという。
Motherboardは、同集団がAppleの担当者とやり取りしたとする電子メールのスクリーンショットも入手したと伝えた。この中でApple側は、「法を破る犯罪集団に報いることはしない」と言明し、同集団とのやり取りについて当局に通報すると通告していたとされる。
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