音楽教育の現場から著作権料を取らないで――音楽教室運営企業などで構成する「音楽教育を守る会」は3月27日、日本音楽著作権協会(JASRAC)が計画している、音楽教室からの著作権料徴収に反対する署名集めを「Change.org」などで始めた。6月末までに50万人を目標に集める。
著作権法では、著作物を公衆に聞かせるために演奏する権利「演奏権」を、作詞・作曲者が占有すると定めている。JASRACは、楽器の演奏を教える教室も「公衆に演奏の場を提供している」と判断し、著作権料を徴収する方針を明らかにしている。
音楽教室側はこれに反発。「ヤマハ音楽教室」を運営するヤマハ音楽振興会や河合楽器製作所などが2月、「音楽教育を守る会」を結成し、対応を協議してきた。
同会は3月27日、JASRACの徴収方針に反対する署名集めをスタート。「音楽教育の場から演奏著作権使用料が徴収されるようになれば、教室で使用する楽曲の選択に影響が生じることで、幅広いジャンルの音楽を学ぶ機会も減少し、音楽愛好家や演奏人口の減少に繋がる。日本の音楽文化の発展を阻害する結果になる」などと指摘している。
署名サイト「change.org」で集めているほか、会員企業・団体約300に署名用紙を用意した。
お詫びと訂正
初出時、誤ってChange.orgの別のキャンペーンを案内しておりました。また、表記に間違いがありました。お詫びして訂正いたします。
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